ホーム読書日記/コラム/対談・鼎談キャス・サンスティーン『シンプルな政府』(NTT出版)、『命の価値』(勁草書房)、『スター・ウォーズによると世界は』(早川書房) 人に優しい政府とは昨年末にキャス・サンスティーンの翻訳が立て続けに三冊出た。(ALL REVIEWS事務局注:本書評執筆時期は2018年2月) 多作で、関与する領域も広いこの人物を簡単に紹介するのは難しい。本業は法学者だが行政学や環境学にも詳しい。動物の権利について論じてもいる。今日のポスト・トゥルースを予見したかのような『インターネットは民主主義の敵か』を十五年も前に発表している。ビッグデータに関する著作もある。経済学にも通暁しており、先日ノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラーとの『実践 行動経済学』という共著も持っている。2009年から12年にかけては、オバマ大統領の下、ホワイトハウス情報規制問題室(OIRA)の室長