科学に対する懐疑主義が勢いを増し、賛否が二極化する風潮にある。教養のある人たちでさえ、科学的証拠に裏づけされた理論を疑うのはなぜだろうか? 文=ジョエル・アッケンバーク/写真=リチャード・バーンズ エボラウイルスが空気感染するウイルスへと変異する危険性は、ほとんどないといわれている。だがインターネットで「空気感染するエボラ」という言葉を検索すると、まるでこのウイルスが人類を根絶やしにするほどの超自然的な力をもっているかのような情報が続々と出てくる。 人はなぜ「間違ったことを信じる」のか この混乱に満ちた世界で、私たちは何を信じ、どう行動するかを決めていかなくてはならない。そして科学は、そのためにある。ただし、科学的な手法が導き出す真実は、しばしばショッキングで、時として納得しがたい。そのために私たちは繰り返し、「間違ったことを信じる」という過ちを犯してきたのだ。 たとえば気候変動は、米国で
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