→紀伊國屋書店で購入 「国民語が「つくられる」とき」? いつの時代の話なの? 「ラオス」? どこにあるの? そう思ってくれるだけでも、著者、矢野順子は、救われる思いがするかもしれない。著者は、「あとがき」で、つぎのように述べている。「筆者の研究は、国際協力のような分野と比べると、今すぐラオスの役に立つようなものではないかもしれない。しかしこうして、日本の人びとにラオスを紹介することもまた、お世話になった人びとへの恩返しになると信じ、今後も研究を続けていきたい。将来的には、ラオスに残っている内戦時代の資料の修復や保護にも携わっていけたらと考えている」。この著者の念いがわかる日本人が多くなったとき、日本も成熟した国際文化社会の一員になっていることだろう。 ラオスは、中国、ミャンマー、カンボジアとも国境を接するが、概ねタイとベトナムとに挟まれた北西から南東に細長い国で、タイとの国境はメコン川にな