東日本大震災でダメージを受けた生産の回復に躍起となっている自動車メーカー。その足かせとなっている部品調達体制の実態が明らかになった。 日本の自動車メーカーの競争力の源には、これまで築き上げてきたピラミッド型の強力な調達網と綿密な調達体制があるとされてきた。リスク対応にも余念がなく、どの自動車メーカーも同じ部品を複数の部品メーカーから調達し、リスク分散を図ってきていた。 ところが、今回の大震災で強力、綿密なはずの調達網の落とし穴が浮かび上がった。4〜5次にわたる調達先のうち、自動車メーカーが把握していたのは「せいぜい2次部品メーカーまで」(大手メーカー)だったのである。 鈴木修・スズキ会長、益子修・三菱自動車社長ら首脳陣も一様に「部品の調達ルートがここまで入り組んでいたとは」と驚く。 自動車メーカーが把握できていなかった3次以降の調達先をたどるうちに、判明したのは想定外の集中リスクだ