機関投資家の皆さんから「アフターコロナで何が変わるか」という照会をいただくことが増えている。論点は多岐にわたるが、「新型コロナウイルスの感染が終息しても世界は元に戻らないのではないか」という問題意識から、今後の経済・金融情勢がどのように変化していくのかという質問だ。 政府の専門家会議が打ち上げた「新しい生活様式」という仰々しいフレーズが「もう世界は元には戻らないかも」という恐怖を余計に駆り立てている。経済主体に与える心理的な影響を踏まえれば、単なる感染症対策を生活様式と称するのはやりすぎだと筆者は考えている。 ビフォーコロナでは通商問題を軸に米中関係が悪化の一途をたどっていた。それが第1段階合意を契機に雪解けの兆候を探り始めたのが今年1月上中旬だった。もう、昔のことに感じられるが、「米中貿易摩擦の解消」を弾みとして金融市場が盛り上がっていたのである。 だが、新型コロナウイルスの発生源をめぐ
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