地方企業での副業という選択 水野剛さん(35)は、大学進学を機に故郷の岩手県・盛岡を離れて17年。都内にある企業に勤めている。マーケティングの領域でがむしゃらに仕事をして、気がつけば35歳になっていた。都内の自宅と勤め先である高層ビルを往復する毎日。地元の盛岡を懐かしく思う機会が増えた。 ……と言っても、これまで積み上げたキャリアを捨てたいわけではなかったという。結婚し子どもにも恵まれ、東京での生活が充実している。移住・Uターンへの憧れは、「無いものねだり」だと考えていた――。 そんな水野さんの抱えていたモヤモヤを解消したのが「地方企業での副業」だ。自身が培ってきたマーケティングの業務スキルを活かし、岩手県の八幡平(はちまんたい)市内の企業で副業を始めたのだ。今では月に2回現地に行き、社長の右腕として辣腕を振るっている。 都市部での生活を継続しながら、地元とも「副業」を通じて継続的に関わる