TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉参加をめぐる民主党内の対立は、まさに“八百長”のような決着だった。野田佳彦首相が11日の記者会見で、事実上の「参加表明」なのに「参加に向けた事前協議」という玉虫色の表現を使っただけで、離党も辞さない構えを見せていた慎重派が笑顔で矛を収めたのだ。 「参加ではなく、事前協議にとどまった。良かった」 首相会見後、慎重派の中心にいた山田正彦元農水相は国会内で記者会見し、笑顔を見せた。離党しない考えも示した。同じく原口一博元総務相も「私たちの意図した通り」と胸を張った。 彼らが評価したのは、野田首相が「TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入る」と述べ、「交渉参加」から表現を後退させた点。 しかし、首相は同時に「貿易立国として活力ある社会を発展させていくためには、アジア太平洋地域の成長力を取り入れていかねばならない」と前のめりで、「事実上の参加表明」(