農家にとって深刻な問題となっているイノシシやシカなどの野生鳥獣による農作物被害の改善を目的に、国会に提出されている銃刀法の改正案に関して、警察庁が「問題あり」と反対している。ライフル銃の所持許可要件の緩和などが柱だが、銃刀法の規制は凶悪事件の発生を受けて段階的に強化されてきた経緯があるためだ。一方、国内では猟ができる資格を持つ人が年々減少しており、猟友会からは「野生鳥獣のさらなる増加につながる」と法改正を推進する声がでている。(大塚創造)猟友会の意向反映 農水省の統計によると、平成21年度の鳥獣による農作物被害は213億円。前年度比で14億円も増えた。 こうした実態を受け、鳥獣被害防止特措法、鳥獣保護法、銃刀法の3法の改正案が自民党から議員立法で提案された。現在は参院農水委員会に付託されているが、審議入りには至っていない。 このうち、銃刀法では、(1)ライフル銃の所持が許可される期間を「散