ブレーキ最大手の曙ブレーキ工業は16日、2015年3月期の営業利益が、前年より50%少ない40億円になるとの見通しを発表した。米国で生産能力を超える注文を受けてしまい、日本でつくって現地に届ける必要が出たのに加え、残業代が2倍になるクリスマス休暇中も米国の工場を動かさざるを得なくなり、残業代がかさんだ。 昨年10月末、米大手自動車メーカーから計画よりも2%多い発注を受けた。米国にある2工場はすでにフル生産となっており、追加分をさばくため休暇中の生産が必要になったという。同社幹部は「コップにはすでに水がなみなみと入っていた。追加分はわずかだったが、簡単にあふれてしまった」と説明した。 日本国内で余剰になっていた生産設備を損失として計上したことも重なり、純損益は60億円と3期ぶりの赤字に陥る見通し。