「日髙先生の最後の講義。動物行動学から導かれる『生きる意味』とは何か」更科功氏(古生物学者)推薦! 人間とは、いったいどういう生き物なのか? 動物行動学の泰斗である著者が、生物としての「人間」を、容姿・言語・社会などの話題をさまざまに展開しながら、わかりやすい言葉で語ります。著者の最晩年の講義であり、今を生きる「人間」必読の一冊。文庫化を記念して、内容の一部を紹介します。 動物の世界では、オスとオスの闘争ってのはしょっちゅうあるわけですね。で、昔はたとえば戦争なんかの時に、「動物たちのように殺し合いをするのは止めよう」なぁんてことを言った人もたくさんいますけど、意外なことに、動物たちの中ではオス同士が殺し合うということはほとんどないんです。 なぜなんだろう。それで昔の人たちは、殺し合いをしてたら種族が結局滅びちゃうから、やっぱり殺し合いをしない動物が生き残ってきたんだ、だから今生き残ってる