財政を圧迫する要因として社会保障支出が挙げられることが多いが、地方交付税も大きな要因だ。地方交付税とは、国が地方の基本的な財政支出を賄うために支出する補助金であるが、その額は臨時財政対策債と合わせ、2007年度の17.8兆円から11年度の23.5兆円まで増加している(総務省資料「地方交付税等総額(当初)の推移(2000~11年)」)。 臨時財政対策債とは、交付税の足りない分を地方が借金をして埋めても良いという制度の下で発行された地方債である(11年度では6.2兆円)。07年度以降11年度まではほぼ不況続きで税収が減少していた期間である。にもかかわらず、この期間に地方への補助金が増え続けていた。日本の一般会計支出がほぼ100兆円、財政赤字が44兆円という状況で、交付税が大きな歳出項目であることは間違いない。 交付税とは、本来、国税のうち、所得税の32%、酒税の32%、法人税の32%(当分の間
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