井上雄彦の『SLAM DUNK』は、『週刊少年ジャンプ』の1990年42号から1996年27号まで連載された、バスケットボール漫画の金字塔である。単行本の国内累計発行部数は1億2000万部以上といわれるこの怪物的ヒット作について、いまさらどんな内容かを説明する必要もないと思うが、念のために書いておくと、湘北高校に入学した不良少年の桜木花道が、ひょんなことからバスケットボール部に入部することになり、そこで才能を開花させていくある種のビルドゥングスロマン(成長物語)の傑作だ。 連載終了からおよそ四半世紀。いまなお、バスケットボール漫画といえば、この『SLAM DUNK』のタイトルを思い浮べる人も多いと思うが、なにゆえ同作はそこまでの絶対的な存在たりえたのか。それを本稿では考察してみたいと思う。 まず、考えられるのは、キャラが立っている、絵が良い、物語がよく練られている、ということだが、その条件

