国連安全保障理事会の機能不全が深刻さを増している。北朝鮮による全ての弾道ミサイル発射が安保理決議で禁止されているにもかかわらず、今月だけで計6発を発射した北朝鮮への追加制裁はおろか、非難声明の採択すらできない。拒否権を持つ中国とロシアが、短距離弾道ミサイル発射を事実上容認する姿勢をみせているためだ。 国連外交筋によると、中国は昨年10月、北朝鮮が長距離の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射や核実験を自粛していることを評価し、制裁緩和を「前向きに検討する」とした決議案を配布した。ロシアも足並みをそろえ、中国とともに制裁緩和を他の安保理メンバーに働きかけた。 中露はこの立場を今も維持しているとみられ、20日の非公開会合では米国が主導する対北非難声明の採択に賛同しなかった。短距離ミサイル発射に厳しい姿勢をとるよりも、北朝鮮との対話機運を醸成する方が重要だと考えているようだ。 中露の動きにより、飛距