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哲学と読書に関するhanemimiのブックマーク (20)

  • 『ぼくらが原子の集まりなら、なぜ痛みや悲しみを感じるのだろう』はスゴ本

    意識は科学で説明可能か? このとんでもなくハードな問題に突入する。ギリギリ捻られる読書体験を請け合う。 著者は現役の哲学者、意識という現象を自然科学的な枠組みのもとで理解するという問題(意識のハード・プロブレム)に、真っ向から取り組んでいる。「物理主義」や「クオリア」、「哲学的ゾンビ」「意識の表象理論」を駆使して、科学・哲学の両方に跨がる難問に挑戦する。[wikipedia:意識のハード・プロブレム]に興味がある方は、ぜひ手にして欲しい。深く遠いところまで連れて行かれるぞ。 ハードがあるなら、イージーもある。流行りの認知科学にありがちな、MRIやCT、電気パルスを用いて、脳状態と意識経験の相関を明らかにする研究だ。例えば赤い色を見たとき、脳のどの部位がどのような状態になっているかを解明する問題で、これが意識のイージー・プロブレムになる。怪しげな脳科学者が、「脳はここまで解明された!」と宣っ

    『ぼくらが原子の集まりなら、なぜ痛みや悲しみを感じるのだろう』はスゴ本
  • 最高の入門書を一冊で『そうだったのか現代思想』

    きっかけは、このツイートに遡る。 色んなメンヘラを見てきて思うのは、あいつら圧倒的には読書量が足りねえってこと。メンヘラが一心不乱に悩んでることは1000年とか2000年前のメンヘラが既に悩み終わってることなんだよ — プリンツ=オイゲン (@_sexperia) 2014, 12月 16 メンヘラに限らないし、2000年は盛りすぎだ。だが言ってることは合っている。ええトシこいたオッサンなのに、中学生からの悩み「私とは誰か(何か)?」がまだ悩み終わっていないのは、圧倒的に足りないから。存在論と認識論から始まって、認知科学や科学哲学、数学から仏教まで、道草が愉しすぎて終わる気がしない。わたしの時間が終わるまで、知りたいことを知り尽くしたい。 その手引きとなる一冊がこれだ。網羅性はないし単純化バイアスが掛かっているが、現代思想のエッセンスを凝縮し、ひたすら噛み砕くのが良い。要所要所で出てくる概

    最高の入門書を一冊で『そうだったのか現代思想』
  • 47NEWS(よんななニュース)

    [新潟県の天気・気象情報]7月28日から5日間は平年より2・2度以上高温の可能性!!熱中症や農作物の管理に注意を

    47NEWS(よんななニュース)
    hanemimi
    hanemimi 2014/10/20
    なぜ日本に⁉︎
  • キティと一緒に哲学を学べる文庫本 『ハローキティのニーチェ 強く生きるために大切なこと』 - はてなニュース

    朝日新聞出版は8月7日(木)、ドイツの哲学者・ニーチェの考え方が分かる文庫『ハローキティのニーチェ 強く生きるために大切なこと』を発売しました。「私たちはどう生きていけばよいのか」という問いに向き合ったニーチェの哲学を、ハローキティと共に学べるとのこと。価格は648円(税込)です。 ▽ 朝日新聞出版 最新刊行物:文庫:ハローキティのニーチェ 同書は、ニーチェが1885年に発表した代表作『ツァラトゥストラはかく語りき』の世界を知る旅に、キティと出掛けるという内容が描かれています。教えを読み解くことで、生きる意味や、当に大切なことに気が付けるとのこと。今の自分を受け止め、物事を前向きに捉えられるヒントが詰まっているそうです。 難しく思いがちな哲学書でも、キティと共にニーチェの世界観を知ることができる同書なら、読みやすく感じられるかもしれません。表紙には『ツァラトゥストラはかく語りき』を手に

    キティと一緒に哲学を学べる文庫本 『ハローキティのニーチェ 強く生きるために大切なこと』 - はてなニュース
    hanemimi
    hanemimi 2014/08/08
    「同書のシリーズとして、10月にはキキララと学べる哲学者・アランの「幸福論」、12月にはマイメロディと読み解く「論語」が発売される予定です」
  • これから読書に向かうあなたが『社会学文献事典』を手に入れるべき6つの理由

    理由1 社会学系ブックガイドの決定版である 社会学および社会学へ影響を与えた周辺領域(哲学、歴史学、言語学教育学、心理学、文芸批評等)の基書をカバーした事典である。 用語や概念についての辞典はいくつもあるが、この分野の文献に焦点を合わせた事典には類書がない。 いや、正確に言えば、1998年に出たこの『社会学文献事典』の成功によって、同じ弘文堂から『精神医学文献事典』(2003)、『日史文献事典』(2003)、『文化人類学文献事典』(2004)、『宗教学文献事典』(2007)という弟書たちが誕生した。 ブックガイドといえば、紙面の制約からせいぜい2〜3百字程度の紹介文のものが多い。あまり少ない字数だと紹介よりも惹句(おすすめ)にしかならず、その内容を伝えて読み手に判断させるところまで到達しないが、このは違う。 事典という性質を活かして、1冊にまとめたものとしては、紹介冊数と紹介文量を

    これから読書に向かうあなたが『社会学文献事典』を手に入れるべき6つの理由
    hanemimi
    hanemimi 2014/05/31
    「読むこと、そして理解することはあなたにしかできないが、そのための助けを得ることは恥ずべきでない。むしろ忌避することは読書回避の言い訳とみなしてもいいくらいだ」
  • 戸田山和久『哲学入門』(ちくま新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    3月27 戸田山和久『哲学入門』(ちくま新書) 9点 カテゴリ:思想・心理9点 「哲学入門」というと、ソクラテスやカントなどの大哲学者の思想を解説したか、あるいは「私が死んだら世界は終わるのか?」、「なぜ人を殺してはいけないのか?」といった、多くの人が一度は感じたであろう疑問から、哲学的思考に誘う、といったスタイルが思い浮かびますが、この戸田山和久の「哲学入門」はそれらとはまったく違います。 今までの哲学的な問に対して、科学的世界観によって、それに答えたり、あるいはそれを解体したりしながら、「神は死んだ(ニーチェもね)」という言葉とともに世界の謎を解き明かそうとしたです。 主にとり上げられる哲学者はミリカン、ドレツキ、デネット。デネット以外はあまり知られていない哲学者でしょう。しかもこのは400ページ超のボリュームがあります。というわけで「読みきれるのか?』と思う人もいるかもしれませ

    戸田山和久『哲学入門』(ちくま新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
  • マンガで分かる心療内科・精神科in渋谷 第74回「フランクル~人が生きる3つの意味」 | 【当日すぐ】渋谷心療内科ゆうメンタルクリニック渋谷院/精神科

    ◆ 解説 というわけで、フランクル先生の話。 いかがでしたでしょうか。 まとめますと、 ・人間は常に「意味への意志」を持って生きている ・具体的に大切なのは「創造価値」「体験価値」「態度価値」の3つの価値 という話でした。 実際にこの「態度価値」はとても重要。 あなたにも、何かやりたいこと、かなえたいことはあるはずです。 しかしながら、それをすぐに実行できる人というのはマレです。 忙しさやお金など、さまざまな理由で、伸び伸びになってしまう人も多いのではないでしょうか。 そんなときに大切なのは「態度価値」を思い出すこと。 そう。 行動できなくても「やるぞ!」「今の自分はそれを行うために生きてるんだ!」というように、心の中で明確にそのことを思い続けることです。 心ですら忘れてしまったとき、あなたは当の意味で、その夢を捨ててしまうことになります。 とにかくどんな環境であっても、どんなに時間や条

    マンガで分かる心療内科・精神科in渋谷 第74回「フランクル~人が生きる3つの意味」 | 【当日すぐ】渋谷心療内科ゆうメンタルクリニック渋谷院/精神科
  • 本当のデカルトさんが読者に本の読み方を提案する

    デカルト(René Descartes, 1596-1650)は自分の(哲学書)をこんな風に、気楽にしつこく読んで欲しいと言っている。 普段読みつけない難しいめのを読む時に参考になるだろう。新入生にもおすすめだ。 「最初はこの書物全体を、いわば小説を読むように、ざっと通読していただきたい。 あまり心を張りつめたりせず、むずかしい個所にぶつかるようなことがあっても、たいして気にかけたりせず、私の扱っている問題がどのようなものであるかを大づかみに知っていただくだけでけっこうです。 そしてそのうえで、これらの問題は検討する値うちがあると思い、その原因を知りたいという気が起これば、再読して、私の理由のつながりに注目してくださるとよいのです。 しかし、そのつながりをあますところなく十分に知ることができなかったり、すべての理由を理解するわけにゆかなかったりしても、まだあきらめてはなりません。 難解

    本当のデカルトさんが読者に本の読み方を提案する
  • 『西洋哲学史要』 波多野精一 (未知谷) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 立花隆&佐藤優『ぼくらの頭脳の鍛え方』(文春新書)で木田元の『反哲学史』とともに哲学史の名著として紹介されていたである。 波多野精一は『基督教の起源』(岩波文庫)、『原始キリスト教』(岩波全書)で知られている宗教哲学者だが、書の評価も高く、現在ではマルクス学者の牧野紀之氏による再話版(現代語訳)が版を重ねている。 牧野氏の再話がどのようなものか、冒頭部分で見てみよう。まずオリジナル。 西洋古代の哲學史は殆ど全く希臘哲學史といもいふべきものなり。只アリストテレース以後の時代に於て希臘の哲學思想は羅馬帝國に傳はりて其の人文の一大勢力をなしたるものの、其時すら創始原造の見とては殆ど無く、皆希臘に於て旣に唱へ出でられたるものを或は補充し或は通俗化したるものに過ぎざりき。 きびきびした躍動感あふれる名文だと思うが、文語体に慣れていない人には敷居が高いだろう。牧野氏はこれを次

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  • 『反哲学史』 木田元 (講談社学術文庫)<br />『現代の哲学』 木田元 (講談社学術文庫) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 →紀伊國屋書店で購入 『反哲学史』は立花隆&佐藤優『ぼくらの頭脳の鍛え方』(文春新書)で波多野精一の『西洋哲学史要』とともに哲学史の名著として紹介されていたが、すごいである。こんなにわかりやすく、しかも核心を素手で摑みとってきたような哲学史が日語で書かれるようになったのだ。 著者は日の哲学者には珍らしい波瀾万丈の前半生を送っているが、そのこととざっくばらんな語り口は無関係ではないだろう。 『反哲学史』という表題はケレンのようだが、決してケレンではない。「反哲学」という言葉を使いはじめたのはメルロ=ポンティだったが、メルロ=ポンティがそのようなことを言いだした背景には「西洋哲学」が決して普遍的な真理ではなく、非常に偏った一種病的ともいえる思考様式にすぎないとするニーチェ以来の「哲学」批判の潮流がある。ハイデガーの「存在の忘却」批判も、構造主義の西洋中心主義批判も、

    『反哲学史』 木田元 (講談社学術文庫)<br />『現代の哲学』 木田元 (講談社学術文庫) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
  • 『アウシュヴィッツ以後の神』H.ヨーナス(法政大学出版局) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「いま、神はどこに」 2009年の収穫といえる哲学書の翻訳を、一つ紹介しておこう。「神」について語ることは、現代いかにして可能か。二十世紀を生き抜いた哲学者ハンス・ヨーナス(1903-1993)は、書に収められた晩年のエッセイ三篇のなかで、この問いに真摯に取り組んでいる。コンパクトでありながら、ずっしり重い一冊。 「神について語ること(テオロギア・神学)」なしに哲学がありうるかは、定かでない。ひょっとすると、神学の可能性と哲学のそれとは一蓮托生かもしれない。少なくとも形而上学の歴史は、神という主題と命運をともにしてきた。だとすれば書は、現代における哲学の可能性に取り組んでいるともいえるのである。 著者は、ハイデガーの数多い弟子の一人である。ややマイナーな話題ながら、2009年9月、「いま、神はどこに」を統一テーマに、ハイデガー・フォーラム第四回大会が開かれた。発表

    『アウシュヴィッツ以後の神』H.ヨーナス(法政大学出版局) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
  • ちゃんと伝わらないなら、黙ってるしかないの? ~『論理哲学論考』ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン著:日経ビジネスオンライン

    決定的な体験 もう一度、書こう。 いや、何度でも、繰り返し書こう。 それは、何の変哲もないありふれた日、前触れもなしに、突然やって来る。 ある晴れた夏の日、庭の樹の枝が、ゆっくりと大きく、音もなく揺れている。そして、たくさんの葉が、それぞれ異なったリズムを刻みながら、表になり裏になりして、小さな光の粒子を振りまいている。 また、ある雨の冬の日、窓ガラスを幾筋ものしずくが伝い落ちていく。速度を速めたり、遅らせたり。向こう側の風景を少し歪めて、上から下へ、ときどきは左右に蛇行しながら。 日々繰り返される、ありきたりの光景だ。 おもしろくもない。わざわざ記録する価値もない。 しかし、そんなあたりまえの光景が、ある日あるとき、突然、決定的な体験をもたらす。 何が起こったわけでもない。昨日とどこが違うわけでもない。 それなのに、ある瞬間、ぼくはハッと気がつく、「ああ、世界はこのようなのだ……!」 こ

    ちゃんと伝わらないなら、黙ってるしかないの? ~『論理哲学論考』ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン著:日経ビジネスオンライン
  • スーザン・ブラックモア『「意識」を語る』 - logical cypher scape2

    哲学者、心理学者、神経科学者などなどの「意識」研究者へのインタビュー集。 著者のスーザン・ブラックモアは、『ミーム・マシンとしての私』の著者。僕は、このタイトルと名前しか知らなかったので、てっきり生物学者か何かだと思っていたので、訳者解説を読んで驚いた。この人、超心理学、つまり超能力の研究で博士号を取ったらしい。しかもこの人、自分には自由意志はないと公言して憚らないすごい人でもある。 とはいえ、書における彼女は別にそんなとんでもない人ではなくて、とても分かりやすく深いところまで切り込んでくれる。彼女と研究者たちの打ち解けた対話から、彼らの音まで伝わってくるようだ。彼女は、彼らの理論について尋ねるばかりではなく、「死後の世界はあるかどうか」といった質問や、「あなたの研究はあなたやあなたの生き方を変えたか」といった質問を投げかけて、単なる彼らの解説に終わらない言葉を引き出すことに成功してい

    スーザン・ブラックモア『「意識」を語る』 - logical cypher scape2
  • asahi.com(朝日新聞社):〈本の舞台裏〉池田晶子「最後の新刊」 - 出版ニュース - BOOK

    の舞台裏〉池田晶子「最後の新刊」[掲載]2009年4月19日 「哲学エッセー」という新しいジャンルを開拓、多くの読者に支持され続けた池田晶子さん。没後2年を経て、未発表・未収録の原稿をまとめた「最後の新刊」が三つの出版社から刊行され、話題を呼んでいる。 命日の2月23日に発売されたのが『魂とは何か』(『魂を考える』大幅増補改訂版、トランスビュー)。続いて今月、『私とは何か』(講談社)、『死とは何か』(毎日新聞社)が刊行。菊地信義氏の装丁で統一、定価も税込み1575円でそろえた。 『私とは何か』を担当した講談社の見田葉子さんによると「3冊同時刊行」の話が持ち上がったのは昨年末。池田さんと親交の深かった編集者と遺族で立ち上げたNPO法人の例会で「残された言葉を一番いい形で伝えていきたい。そのためには3冊を同時期に」ということに。未発表原稿のコピーをそれぞれ持ち帰り、正月返上で読み込んだとい

    hanemimi
    hanemimi 2009/04/24
    これ、それぞれ版元が違うのか。気づいてなかった!
  • ひきこもり臨床論としての美術批評 - Freezing Point

    斎藤環『アーティストは境界線上で踊る』(みすず書房)刊行記念のトークショー、 斎藤環×岡崎乾二郎 「アートに“身体”は必要か」 を熟読した(掲載は『みすず(no.563)』2008年8月号)。 これを私は、美術批評であると同時に、ひきこもり臨床論として読んだ。 岡崎乾二郎の議論は、斎藤環の「発想のあり方」へのあからさまな批判なのだが、斎藤は最後までそれに気づいていないように見える。 私はこの対談を、ひきこもりや就労支援の関係者にこそ読んでほしい。 誰かの努力や存在が社会的に排除され、誰かがぬくぬくと「内側」にいることになっている*1。 そこに批評を口にするときの態度の違いは、そのまま支援案のちがいになる。 排除された努力や存在を受け止めるときに(あるいは無視するときに)、どんな発想が必要なのか。 作品であり、労働過程である私たちは、単に全面受容されるべきではない。 では、どんな厳しさが必要

    ひきこもり臨床論としての美術批評 - Freezing Point
  • 08年度良書ランキング - ぐだぐだ日記−今年もあと少し−

    読書今年も残りわずかですね。たしかブログを始めたのが今年の1月。読書や思索に目覚めたのも今年の1月。そして、今年の目標は「自分で考える。読書。日記。」だった気がする。そう考えると、ある程度目標は達成できた気がする。まぁそんなわけで今年読んだの中で個人的に印象に残っているランキングを書いてみようと思う。ベスト10ぐらいでいいかな。 では第10位数・式の計算・方程式 不等式 (数学)作者: 松坂和夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1989/10メディア: 単行全6巻からなる松坂和夫先生による超教育的配慮が行き届いた良書。高校数学を0から学べ、そして大学数学半歩手前ぐらいまで学習できる。苦手な分野を扱ってる巻だけをやることも可能。自分はおもに5巻、6巻を利用。数学ⅡBまでしかやってなかったけど見事に(と自分で言っていいものか分からんが)、大学数学を目を通せるほどまでになりまし

  • 上野修「スピノザの世界」 - モナドの方へ

    平易で、それでいて奥の深いスピノザの入門書。スピノザに関しては面倒な解説書はそれなりにあったけど、とっつきやすいのはなかった。そんな薄闇に一筋の光となる良書である。 そもそもスピノザのやり方は、わかりやすさではなく精密さ、そして明晰さを目的としている。エチカにおいて数学証明の手法が使われているのはそのためだ。 たしかにエチカは精密すぎる故に分かりづらい。ひとつひとつの証明をちゃんと追っていかないと、途中でなぜこうなるのか分からなくなる。しかしスピノザはこの恐ろしく複雑な証明をやってのけた。これは最初から意図されたことなのか?それとも書き進めるうちに発見していったことなのか? 著者もそのことを念頭に置きながらエチカの解説を進めてゆく。つまりエチカを壮大な思考実験として捉え、その結果、神とは(あるいは世界とは)なんなのかを検討してゆく。その中で登場する定理の相関図などが、論議に花を添えている。

  • 現代哲学の最前線 - 死に舞

    友人から借りた以下のをとっくに読了していたが、何も書いていなかったのでメモ程度書いとく。 哲学者は何を考えているのか (現代哲学への招待Basics) ジュリアン バジーニ ジェレミー スタンルーム Julian Baggini えーと、何にしろ非常に啓発的で刺激的なであった。この春秋社の現代哲学への招待シリーズは現代の英米哲学に関するを多数出版していて非常にありがたいのだが(それも結構装丁がかっこよい。フランス系現代思想のに負けず劣らずw)、中でもこのは異色である。というのも、これは単独な哲学者のではなく『ザ・フィロソワーズ・マガジン』という雑誌に掲載された大物哲学者のインタビュー集なのである。 インタビューの内容はとにかく、このような雑誌が存在すること自体が、我々日人には驚くべきことなのだが、これは英米系の知識人の素養をうかがわせる。『ザ・フィロソワーズ・マガジン』という

  • 哲学的なSFを教えてください。:アルファルファモザイク

    哲学的なSFを教えてください。 作者とタイトルだけでなく、テーマや、ちょっと内容紹介も。 イーガンの短編をちょっと読んで、他にもこんな哲学的なのあるのかなと、興味を持ちました。

  • 悲観主義とオプティミズム - My Life Between Silicon Valley and Japan

    一週間東京に行って帰国したところ。これからしばらく寝たり起きたりで、消耗しきった身体に体力が戻るのを待とう。今年二回目の東京だったが、こちらに戻ってくるとすべてのモードが全く変わって、ブログを書く力もようやく沸いてくる。 ある日、東京で気のおけない親しい友人たちとオプティミズムの話になった。「ウェブ進化論」のオプティミズムを誤解する人が多いね、という話がよく出るが、その日もそんな話になった。オプティミズムとは、生来人間は素晴らしいものなんだから「世の中、ほっておいても何とかなるさ」みたいな呑気でいい加減な考え方とは全く違うものだ。オプティミズムの質を全く理解せぬまま、オプティミズムはけしからんと言う人が多いね、というのは僕もよく思う。 ところで別の友人との集まりで、話がなぜかそちらのほうに流れ、アランの「定義集」の話になった。僕が敬愛してやまない森有正(ぼろぼろになるまで読んだ四冊の)

    悲観主義とオプティミズム - My Life Between Silicon Valley and Japan
    hanemimi
    hanemimi 2007/03/03
    「死や病を免れ得ない人間にとって、悲観主義こそ「自然」で「生来」なものなのであって、オプティミズムとはそれを超えていく意志のことなのである」
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