福島第1原発で深刻な事故を起こした東京電力への公的支援に関連し、政府内で東電を発電部門と送電部門に分離し、送電部門を他の大手電力会社などに統合する処理案が浮上していることが4日、明らかになった。東電は福島原発事故の放射性物質の漏えいで巨額の損害賠償が見込まれる。政府は原発周辺の避難住民らへの賠償に万全を期すとともに、電力供給の安定を図るため、東電に出資して管理下に置く方針。しかし「深刻な事故を起こした東電を公的資金で救済するだけでは、国民の理解が得られない」(政府筋)と見ており、分離処理案が浮上した。 東電の分離と他の電力会社への統合が実現すれば、電力大手10社が地域ごとに発電から送電まで電力事業を事実上独占する戦後の電力体制の再編につながる可能性がある。 10社の中でも、東電は売上高が関西電力の約2倍の約5兆円と断トツの存在で、昨年末時点で約7兆5000億円の有利子負債を抱える。福島原発