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  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 名文の解剖、あるいは対比的な綴り方 -宮脇俊三『時刻表2万キロ』について-

    つぎの清水浜と、そのつぎの歌津はいずれも小さな漁港であった。家が少ないからホームを埋めつくすほどの人はいない。そのかわり手足を動かすことができるから、いろいろなことをやってくれる。けさ仙台で読んだ地方新聞によると、きょうのために一ヶ月も前から踊りなど練習していたという。焦茶色に日焼けし海風に鍛え抜かれたおばさんたちが、花笠をかぶって一列に並び片足を上げて踊る。なんだか申し訳ない気がする。しかしその顔は嬉々としていて、駆り出されの翳りは微塵もない。 短いスカート姿の、バトンガールのような女子高生のチームもいる。増加をつけたタンバリンをくるくる回してそれが一段落すると、こっちに向かってお辞儀などするから恐縮してしまうが、顔立ちの整った子が多く、色も白かった。この少女たちが、どうしてあのおばさんたちのようになるのかと思う。 東京の新聞には、また赤字線が増えたと批判的な記事が載っている。しかし地元

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    haruhiwai18 2014/03/02
    "文の一つ一つがリズム良く短くまとまっていて、大変うちやすい。 書きとめていて、引っかかりや淀む所がないのは、流石、名文と言うべきか。" →気仙沼線「開通」の時の文章。/昔の奴をセルクマ。
  • もちつけblog(仮) 「急ぎすぎてはいけない」、あるいは、チベタンコミュニスト・プンツォク=ワンギェルの半生 -阿部治平『もうひとつのチベット現代史』雑感-

    阿部治平『もうひとつのチベット現代史 プンツォク=ワンギェルの夢と革命の生涯』を読む。 知る人ぞ知る、プンワンの半生を綴った好著である。 彼が何者かについては、Wikipediaの記事を見てくれれば分かる。 (ただ、「帰国後、中国共産党の下部機関に組み込まれるが、文化大革命では民族主義者として弾圧を受け、18年間投獄される」という記述があるのだが、プンワン投獄は文革前のはずである。) 梶谷先生による書評も、読まれるべき。 未完だが、こちらの書評もよい。 以下、気になった所だけ。 占領されるまでのチベットの当時の政治について。 イギリスはシムラ会議で中国のチベットに対する宗主権を承認し、チベットには自治権以上の権力を認めなかった。 にもかかわらず、チベット政府はイギリスにも中国にも、積極的に独立を認めさせる外交らしい外交も、独立を確実にする内政の改革もしなかった。 ラマを中心とするチベット政

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    haruhiwai18 2014/02/11
    "プンワンは社会主義チベットは…チベット人主導で土地改革を行うべきと考えていた"" 漢人将軍らに通用する話ではなかった。 「かれらは功をあせっていた」" →チベットとプンワン。/今更のセルクマ。
  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 満洲の棄民、あるいは、裏切られた「戦場の花嫁」について -東志津『「中国残留婦人」を知っていますか』を読んで-

    東志津『「中国残留婦人」を知っていますか』を読む。 ジュニア新書と思って侮るなかれ。 良書である。 ほかにも読まれるべき個所をいくつも含んでいるのだが、ここでは、数か所のみ引用とコメントをする。 (要するに実際にを手に取ってくれということだ。) 「開拓移民が渡った先で与えられた土地の多くは、もともとは中国人のものでした。彼らが苦労して開墾した農地に日人が入植したのです。土地や家屋を奪われた中国人は、その後、小作や苦力(日雇い労働者)として日人のもとで働くことになりました」 (6頁) これは著者による解説である。 ここでいう中国人とは、満州人を含む中国人を指している。 まず基的なことだが、満州国とは、このような土地の収奪によって成立している。 結婚を前提に募集をおこなえば、応募者が見込めないと考えた為政者たちは、当の目的を伏せて人を集めていました。そうした事業に応じて満州に送られた

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    haruhiwai18 2014/02/10
    "結婚を前提に募集をおこなえば、応募者が見込めないと考えた為政者たちは、本当の目的を伏せて人を集め""『ああ、帰るんだったら憲兵隊に連れて帰ってもらいますから』" →安定の拉致国家。/セルクマ。
  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 暴力装置が抱いた欲望 -武装組織が台頭した諸事情- 【続・ワイマール共和国内部の武装組織について】

    前記事より続き。 ■なんで武装組織ばっかだったんだよ!■ ここで一点、疑問に思われる方が、おられるかもしれません。なぜ、ワイマール共和国は、武装勢力だらけになったか。 詳細は分かりませんが、ドイツ義勇軍(フライコール)の存在が大きかっただろうことは間違いありません(以下、Wikipediaドイツ義勇軍」の項目参照)。 ドイツ義勇軍というのは、第二次大戦後にドイツの復員兵が作った民兵組織のこと(総称)です。 「多くのドイツ退役軍人は市民生活に馴染むことができず、軍事組織の中に安定を求めて義勇軍に入隊」します。 そんな「復員兵の多くは彼らの目から見て『突然起きた、どう見ても不可解な敗戦』とその後の社会の混乱に憤りを感じていた。彼等は、その憤懣を晴らすために入隊し、混乱の元凶と思われた共産主義者を鎮圧」したわけです。共産主義者が、敗戦のスケープ・ゴートとなります。 しかも重要なことに、「彼らは

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    haruhiwai18 2014/02/02
    "ワイマール共和国内で諸武装勢力が台頭したのは…軍を削られたという国内事情も原因" →セルクマ。ドイツ軍を削ったら、却って国内が不安定になったというお話。/昔書いたやつを再びセルクマ。
  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) いい意味でタイトル詐欺、あるいは、まっとうな経営学。 -F・ヴァーミューレン『ヤバイ経営学』を読む。-

    フリーク・ヴァーミューレン『ヤバイ経営学』を読んだ。 実に面白い。 気になった所だけ書いていく。 会社にいる人間の行動を調べてみたら、けっこう彼らは、会社のデータ(数字)を無視して、代わりに経験や質的な評価、直感によって判断している(32頁)。 ファスト&スローの二つの思考のうち、前者を採用しているわけだ。 だけど、そうする方が結果はマシなのかもしれない。 というのは、人は数字(会社の売上など)については結構間違いだらけに覚えていて、こうしたものを元に意思決定してしまうと、会社全体に損失を与えてしまうかもしれないからだ。 ファスト思考は結構うまくやってくれる。 意外と知られていないこと。 例えば、買収(91,92頁)。 50億ドル以上の案件121件を調査した結果、59%のケースで、市場全体の影響を排除したリターンは買収とともに低下している。 12ヶ月たったあとには、71パーセントの案件で

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    haruhiwai18 2014/01/25
    "研究開発部門を持つ企業は、研究員が何も発明できなくても、競合のマネをするのはずっと簡単""研究開発部門を会社が持つ、大きなメリット" →今更のセルクマ/天国の松下幸之助先生をIDコールしたい(マテヤコラ
  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 下の「身内」を「殺害」して、上の者はおめおめ生きのびた。 -保阪正康『「特攻」と日本人』、大貫健一郎, 渡辺考『特攻隊振武寮』-

    保阪正康『「特攻」と日人』と、大貫健一郎, 渡辺考『特攻隊振武寮』を読んだ。 気になった所だけ。 まずは『「特攻」と日人』。 著者の見解について、幾つか気になる点はあるのだが、それでも賛同できる部分は多かった。 昭和十九年の十月、台湾沖航空戦でのこと。 第二十六航空司令官の有馬正文は、艦隊に特攻して戦死する。 著者曰く、「日で初めての特攻作戦を行ったのは、実は四十九歳の有馬だったのである。」(171、2頁) しかし、有馬の体当たり攻撃は、一般に広まることはなかった。 有馬は軍事指導層であり、もしこの考え方が一般的だったら、軍事指導者たちが率先して体当たり攻撃をしなければならなかったからである、と著者は書いている。 指導者たちは、特攻しない。 陸軍航空部は、昭和20年5月末に知覧基地で「特攻隊員の心理調査」を密かに実施している(56頁)。 戦争の最終段階になっても「ますます決心をなす

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    haruhiwai18 2013/10/02
    "「…考えはわかるが軍の考えということがある。今度は必ず死んでもらう…」と述べた。""特攻機は爆弾を切り離し、何度も攻撃できるように、改良されていたにもかかわらず" →"外道"国家について。/セルクマ。
  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 問題:「海徳格爾」って誰のことでしょうか? -王前『中国が読んだ現代思想』を少しだけ読む-

    王前『中国が読んだ現代思想』を読む。 中国語では、ハイデッガーのDaseinの訳語は、「親在」らしい(熊偉による訳語)。 「親」は、身をもって、自ら、親愛などの意味で使われるため、ハイデッガーの言う、「情態性」の意味と一致していると言う(52頁)。 「情態性」っていうのは、"気分"のこと。 ハイデッガーは、人間にとって受動的にか対応できない事実として、"気分"というものは立ち現れている、としている。 Wikipediaが説明するところの、「自発的に惹き起こされるものでも外部の刺激に自動的に反応するのでもなく、世界内存在という在り方として世界内存在自身から立ち上がってくる」ものである。 それは、気付けば"既に"、立ち現れているものである。 それは他人が与えるのでも、自分自身に与えようとして与えられるものでもない。受動的なもの。 この、「既にあるもの」、「受動的にしか対応できないこと」、という

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    haruhiwai18 2013/09/25
    ""赦す"か否かは、根本的に、死んだ犠牲者たちにしかその権利がない""これは、国家間だけの問題じゃない。""デリダの言う…"赦し"とは、赦しえない事柄を"赦す"こと" →デリダと"赦し"について。/今更セルクマ
  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 「格差」を是正しなければならない時。 -「不法入国」から「金融危機」まで- ミラノヴィッチ『不平等について』を読んで

    ミラノヴィッチ『不平等について』を読了。 あのトマス・ポッゲが推薦していたので、読んだ。 曰く、「楽しみ満載のこので、経済的不平等という深刻な主題について学んでみよう!」 特に面白かったところだけ。 ソ連などの社会主義国家について(61、62頁)。 ノーメンクラトゥーラ(社会主義国における支配階級)の特権は、仕事に付随しており、党綱領に抵触する反抗的な態度は、直ちに降格を意味した。 そして、降格すると、全ての特権を失う。 実は、最高幹部の賃金でさえ、一般労働者やサラリーマンと比べてもそれほど高くなかったのである。 (非金銭的な、別荘や料配給優先権などの特権などはあった。) そのため、貯蓄して頼りにできるような、私的財産を築くことはできなかった。 すると、どうなるか。 資産の蓄えもできず、所得と特権が仕事に結びついていたのなら、波風を立てたくない気持ちは非常に強くなる。 起こるのは、事な

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    haruhiwai18 2013/09/03
    "国籍と両親の所得階層、この二つの要因だけで、個人所得の80%を説明可能であるという""生まれで、個人の所得がほとんど決まってしまう" →セルクマ。/"格差"と呼ぶのと"不平等"と呼ぶのとでは、だいぶ印象が違う。
  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 手紙はいろいろ知っている  袖井林二郎『拝啓マッカーサー元帥様 占領下の日本人の手紙』

    なぜ、日は先の大戦で、誰も駐留米軍に対してレジスタンス活動などを行わなかったのか。 軍のトップに立っていた天皇がそれを求めない以上、そんなことが出来るわけがないし、そもそも他国ないし他勢力からの援護が期待できない状態でのレジスタンス運動など不可能だ。 袖井林二郎『拝啓マッカーサー元帥様―占領下の日人の手紙』(岩波現代文庫) を読了した。 400ページを超える著作だが、退屈さを感じさせない良書。 既に書評があり、例えば以下のようなもの(「絶望よりも反省よりも『拝啓マッカーサー元帥様』」)。 確か一億玉砕まで誓った戦争だった。神国は不滅であり、必勝不敗は揺るがせない国是だった。 だから総力戦の敗北は、帝国臣民を深い挫折へと追いやったはずであり、日の滅亡を認めないものは、決起したはずだ。 だが、現実はどうかといえば、ひとりのパルチザンも生まなかった! その事実に気付くとき、マッカーサーに対

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    haruhiwai18 2013/08/04
    "「日本人ってつまらん民族だと思ったね。あんな手紙をマッカーサーに書くなんてサ」と、ハワイ出身の沖縄系二世の米国ATIS隊員が発言" →更にセルクマ。/現代文庫版の解説も面白いので要チェックやで(マテヤコラ
  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 雇用の常識、探ってTRAY・戦後日本の雇用編 -海老原&荻野『日本人はどのように仕事をしてきたか』雑感-

    海老原嗣生・荻野進介『名著で読み解く 日人はどのように仕事をしてきたか』を読む。 戦後に出版された(日の)雇用系「名著」の中身と、その歴史的な存在意義を解説している。 だが、それだけではなくて、その「名著」の著者たちの「コメント」(反論?)も掲載している。 とても勉強になるだけでなく、フェアな書物でもある、といっていいだろう。 著者側と、読者側のスタンスや考え方の違いを踏まえて読むのが、このを楽しむコツである。 この著者の一人については既に、ここの記事で書いたことがある。 興味のある所だけ。 戦前では旧制大学を卒業して職員として入社した新入社員の初任給は、50代の熟練工員の三倍以上だった(21頁)。 それだけではない。 職員は月給制に対して、工員は日給制。 各々で、使えるトイレや売店も違い、売店で売られている品目も差がついていた。 片や内地米、片や植民地の外地米である。 まさに身

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    haruhiwai18 2013/07/30
    "島田晴雄は、過剰となったホワイトカラーの管理職層をリストラしろという当時の風潮に異議を唱え""1994年の話""だが現実には、島田の意見は容れられず""企業側は、「契約」を、後出しで修正" →セルクマ。
  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) "主体思想"を北朝鮮が使い始めた頃 -中朝関係の悪化していた時期について-

    「読者を選ぶという事は――資家が顧客を選ぶのと質としては同じなんです」 この一文を、とあるブログのコメント欄で見かけた。 正直、そのブログの記事は、どーでもいい内容だったが、このコメ欄の一文は良かった。 「読者に分かりやすく書く」ということの、大安売りっぷり。そして、大安売りをする覚悟もなく、「分かりやすく書け」と言い募る人の多いこと。 五味洋治『中国北朝鮮を止められるか』と言うを読んでいて、いくつか、目に留まる。 書の論旨は、"中国北朝鮮は決して蜜月の歴史じゃなくて、表面上は互いに良好的に繕いながら、結構対立しつつも決定的断絶だけは避ける関係をずっと続けてる"、といったものか。 上記のようにまとめるとぜんぜん面白くないが、細部が面白かったりもする。 例えば、文革期の60年代後半、中朝関係は悪化し、北朝鮮が自主路線を貫いた頃の話(第4章)。 中国は、金日成を"反革命修正主義者"、

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    haruhiwai18 2013/07/23
    "中国が韓国との国交を樹立したことが北朝鮮に強い失望感を与え""北朝鮮は中国の神経を逆なでするように台湾に接近する一方、密かに核開発の道を突っ走る" →昔のをセルクマ。/中朝関係の複雑さ。
  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 湛山と憲法と平和とワイシャツと私 -増田弘『石橋湛山』を読む-

    増田弘『石橋湛山』を再び読む。 リーダブルだし、面白い。 気になった所だけ。 湛山は新兵として苦労を重ねている(17頁)。 入営時に60kgほどあった体重は48kg台まで減り、在営中ついに回復しなかった。 湛山は軍隊に在籍した一年間に、戦争への嫌悪の情を深くすることとなった。 実弾演習にも恐怖感を覚えた。 彼の平和への思想は、そうした実体験にも基づいている。 当時作られようとしていた明治神宮に対して、かれは何といったのか(27、28頁)。 神社ぐらいで、「先帝陛下」を記念できると思っているのか。 ノーベル賞にならって"明治賞金"を作れ。 こんな風に提言しているのである(「愚かなるかな神宮建設の議」が出典)。 いかにもプラグマティックな石橋湛山、と言えるだろう。 尼港事件の報復措置として、日軍は、北樺太を占領した(46頁)。 米国は日に猜疑心を抱き、日米関係は悪化した。 これに対して、湛

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    haruhiwai18 2013/07/01
    "日米新安保は是認した湛山だったが、一方で、安保と憲法の矛盾を認めたうえで憲法の遵守を訴えた""「冷戦」時代には非現実的だった第九条は、平和共存時代の今日には現実性を持っている、と論じた" →セルクマ。
  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 戦後になっても、靖国神社がついに己自身を克服できなかった件 -赤澤史朗『靖国神社』を再読する-

    赤澤史朗『靖国神社』を再読する。 (たぶん)知られざる良書である。 いつもどおり、興味のあるところだけ取り上げていく。 「靖国神社の祭礼には、競馬やサーカスなどの娯楽が付きまとい、多くの観衆が集まった」というふうに、庶民にとって靖国神社が親しい存在だったことを説明する研究がある(20頁)。 だが、戦前の靖国神社は、神社が強力な軍の管理下に置かれていたし、また例大祭などの祭典に正式に参列できるのは、軍や国家の代表者だけであって、庶民はもとより、遺族すらも参列できなかった。 戦前期には、祭礼の合祀に際して、遺族は合祀祭への参加を許されず、かろうじて招魂斎庭から、殿に向かう御羽車を拝んで見送ること、祭典終了後の昇殿参拝が認められただけであった。 戦前における靖国神社の遺族に対する位置づけは、実はこのようなものである。 遺族会として勢力が強くなるのは、戦後のことである。 ところで、上記の「庶民に

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    haruhiwai18 2013/05/30
    "彼らは、民間人犠牲者を補償と合祀対象から除外し、旧植民地人犠牲者を補償の対象から外した""このことは、それらの人々を反戦平和主義の方向へ向かわせ" →セルクマ。/追記を書いておきます。
  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 「俺の市場経済がこんなに万能なわけがない。」 「そらそうよ。」 -ハジュン・チャン『世界経済を破綻させる23の嘘』再読-

    ハジュン・チャン『世界経済を破綻させる23の嘘』を再読した。 やはり、面白い。 特におもしろいと思った所だけ、書いていく。 アダム・スミスが、株主が有限責任しか負わないということで株式会社を批判したのに対して、マルクスは株式会社を擁護した(36頁)。 というのも、マルクスは、株式会社を社会主義への「移行点」として捉え、株式会社が所有権と経営を分離するので、それによって経営にタッチしない資家たちを排除できる、と考えたのである。 まあ、これは岩井克人先生らの議論を知っている者には、周知のことだろう。 著者いわく、低レベルのインフレが経済に悪いという証拠はまったくない(89頁)。 例えば、シカゴ大学、IMFが行った研究でも、8~10パーセント未満のインフレは経済成長率に、全く影響を及ぼさないと結論した。 このような低レベルインフレ擁護論は、著者の師匠(?)・スティグリッツ先生も述べていたことで

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    haruhiwai18 2013/05/18
    "英米は歴史的に、自分たちの産業が強くなるまで、保護貿易をきっちりと、行っていたのである。""なぜそれが、他の国では許されないのだろうか、という話になる" →セルクマ。/まさに "スティグリッツ学派"。
  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) リフレ政策、あるいは、貨幣の代替品が存在するか、という話 小島寛之『容疑者ケインズ』(2)

    ■貨幣がもたらす、「決断の留保」という甘い毒■ その多機能性こそが「貨幣」の魅力なのであるが、その機能の使い方を一歩間違えると、社会に災いをもたらす「疫病」のような存在にもなりかねない (67頁) 優柔不断という甘美な果実を与えてくれるからこそ、貨幣を保有するのである。しかし、そんな雲をつかむような形のない誘惑こそが、資主義を不況という地獄に導く悪魔のささやきにほかならない (135頁) 決断を留保させてくれる、先の方まで延ばしてくれる、素敵なもの、それが貨幣。 人は消費します。しかし、確率さえ計算できないような消費をせざるを得ないのです。ああ、アレを買って置けばよかった、こんなもの、買わなきゃよかった。ジュース一から、一軒家購入まで、こんなものはたくさんあります。人は、完全な情報を持つことは出来ません。情報不足ゆえに人はためらうのです。「人々は確率のわからない環境を、わかっている環境

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    haruhiwai18 2013/05/03
    コメ欄"可能ならインタゲ…と、政府+中央銀行のちゃんとしたコミットメントの組み合わせだけでもよい" →今更のセルクマ。/自分、ずいぶん真面目に書いたなw/↓を読みましたが、山形御大 大変そうですなw
  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 斎藤茂吉の「異化」的作歌法と、近代における『万葉集』利用 -品田悦一『斎藤茂吉』を読む-

    品田悦一『斎藤茂吉』を読む。 著者は、『万葉集の発明』を書いた人。 前著もそうだったけど、面白い。 茂吉だけでなく、それ以外の主張も面白い。 気になった所だけ。 茂吉の訛りは酷かった(32頁)。 彼の晩年の歌の朗吟を聞けば分かるが、結構訛っている。 同じく同郷の友人たちの訛りも酷かった。 (「酷かった」という表現は、山の手中心主義な気もするけど。) 彼らは、結果的に文筆に自己表現の道を見出す。 そして、茂吉は「書く人」となった。 (ここら辺の問題意識については、小林敏明『廣松渉』における、廣松の文体と「周縁性」の問題と共に考えられるべきだと思うが、まあ、また今度考えよう。) 茂吉は、朗吟より黙吟の方が効果があると考えた(44頁)。 「肉声の干渉が回避されるという意味ではむしろいっそう純粋に感得できる」というわけだ。 肉声は時に、肉声以外の要素を、殺してしまう。 (黙吟の意義(朗吟への批判)

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    haruhiwai18 2013/03/23
    "ドイツ語のVolkからは、王侯貴族が排除されていたにもかかわらず、日本語「民族」の概念からは、「天皇から庶民まで」含まれ" →今更のセルクマ/"民族"自体も『万葉集』自体も"創造"された。 http://p.tl/lFjo
  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) アデナウアーにおける「独仏の絆」的な何かの源流と、再軍備方法。 石田勇治『過去の克服』を読む(前編)

    石田勇治『過去の克服 ヒトラー後のドイツ』を読む。 良である。 ドイツにも、ナチ時代の過去を反省しようとする人々がいる一方、それを自虐だと切り捨てる人々がいた。 ドイツの過去の克服は、この二つの力のせめぎあいの中で、現在に至っている(12頁)。 アメリカ、ヨーロッパ近隣諸国、イスラエル、東側からの厳しい批判、こうした外的要因が無ければ「過去の克服」は進展しなかっただろう。 すでに出版されて幾年か経たであり、既に幾つも書評もあるけれども、是非一度自分の目で読んで欲しい。 戦後ドイツの道のりについては、礼賛も、「暴露」もあるけれど(例えばこれとか)、きちんと当時の(西)ドイツ国内外の事情を踏まえれば、よりバランスの取れた意見を持てると思う。 そんな中から気になった箇所を。 まず基的な事実だが(7頁)。 ドイツ連邦共和国がこれまで支払った、ホロコースト等に代表されるナチ不法の被害者に対

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    haruhiwai18 2013/01/29
    "ドイツ基本法では、ナチ党と手を組んでヒトラーを首相にした伝統的な保守派の政治的責任は問わず""アデナウアーは、反プロイセン・反ナチズム・反共主義を標榜" →今更セルクマ。/あとで誤字訂正予定。
  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 「人道的介入」の「人道」の部分を、もっとちゃんと考えろ、っていう話。 -最上敏樹『人道的介入』を読む-

    最上敏樹『人道的介入 正義の武力行使はあるか』を読む。 まったく古びていない。 それくらい、すぐれた書物ということなのか。 はたまた、世の中が進歩もせずに停滞しているだけなのか。 「人道的介入」を含め、あらゆる国内外における「武力行使」を考える上で、そして、あらゆる「介入」を考えるうえで、読んでおくべき書物。 著者の意見に対し、左右どちらからも批判的な意見はあるだろうが(実際、評者にもある)、読んでおくべき書物であることに、かわりはない。 既にいくつも書評はあるが、気に入ったところだけ書いていく。 書評(というか抜粋)としてはこちらがおすすめ。 みもふたもない話。 現実の人道的介入というのは、相手が強大国である場合まず行われない(45、6頁)。 チェチェンにとってのロシア、パレスチナにとってのイスラエルとアメリカ、チベットにとっての中国、などである。 だが、人道的介入とは、ルールに基づくも

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    haruhiwai18 2013/01/28
    "人道的介入とは、ルールに基づくものであり、法的正当化を行わねばならない以上、類似する事例においては、いつでも武力行使をしなければならなくなる" →セルクマ。/「人道的介入=武力介入」でない、という件。
  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) (西)ドイツの長い戦後、そのキレイではない泥臭い道程 石田勇治『過去の克服』を読む(後編)

    ヤスパースについて。 彼が1945年に「責任」について講義(ドイツ人自らが内面的な転換を図るもの)を行った時は、実は、その主張は世間の受け入れる所とはならなかった。 むしろ根拠のない誤解と批判に晒され、その真意、特に「形而上学の罪」について理解されるようになるのは、1960年代半ば以降である(75頁)。 ドイツでさえ、それだけの時間を必要とした。 1960年代後半、ヤスパースは「人道に対する罪」の概念をドイツ法に導入して、時効問題に根的解決を図ろうと呼びかけている(194頁)。 ヤスパースは、きちんと現実へアンガージュした知識人でもあった。 では、ヤスパースを受け入れなかった当時のドイツの世論とはどのようなものだったか。 終戦直後からユダヤ人を標的にした暴力事件ドイツ各地で頻発しており、ユダヤ人墓地荒し事件は1949年だけで100件を超えた。 一方、1948年世論調査では、「ナチズムは

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    haruhiwai18 2013/01/14
    "過去に頬かむりしたまま権力の座に居座る…エリートを批判する動き""10年後には、西ドイツの学生たち、議会外反対運動の者たちに受け継がれ""ドイツの本当の「反省」は、この時期から始まって" →今更セルクマ。
  • もちつけblog(仮)、、、の跡地(はてなダイアリーに移転。) 社会主義者・ワルラスの面目と、フリードマンさん@(さほど)がんばらない -松尾匡『対話でわかる痛快明解 経済学史』雑感-

    松尾匡『対話でわかる痛快明解 経済学史』を読む。 ライトなつくりになっていて、読みやすいが、中身はしっかりしている。 マルクスは、自分自身の字も読めないことがあり、実際に『資論』第2巻の序文で、エンゲルスもそう書いている(66頁)。 こんな感じの小ネタものってる。 興味深かった所だけ。 ワルラスの社会主義者っぷりについて。 ワルラスは、土地の国有化を唱えた(128頁)。 それは自由競争市場の合理的な動きのために必然的に要請される側面があった(らしい)。 土地を国有化して、その地代を国家の収入にし、労働者への課税は廃止するよう主張したのである。 そうすることで、労働者も資産を形成して、資家と「同化していけるようになることを目指した」。 労働者個人が、『アソシアシオン割引金庫』に貯金して、それで金庫側が機械を買い、労働者集団にリースをする、という感じである。 土地という「既得権益」の打破し

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    haruhiwai18 2013/01/08
    "ワルラス""土地を国有化して、その地代を国家の収入にし、労働者への課税は廃止するよう主張""労働者個人が…貯金して、それで金庫側が機械を買い、労働者集団にリース" →セルクマ。/↓前者二人はガチですw