米航空宇宙局(NASA)ジェット推進研究所は30日、東日本大震災を起こした地震や津波の揺れが、大気を介して高度80キロ以上にある電離層に伝わり、電子の分布に乱れを引き起こしたことが確認できたと発表した。 衛星利用測位システム(GPS)から電離層を通じて届く電波のデータを分析して判明した。同様の現象は2010年のチリ大地震などでも起きているが、日本には多数のGPS観測点があるため、これまでにない精度で確認できたという。将来の津波警報システムに応用できるとしている。 研究チームは、日本国内に約1200カ所あるGPS観測点のデータを分析。津波が広がるのに伴い、上空の電子の乱れが震源地を中心に秒速200~300メートルで同心円状に広がっていくことなどを突き止めた。(共同)