兵庫県加古川市付近の夜空が、赤く染まる日がある。火事だと思った住民が119番したこともあったらしい。かつて工場からの粉じん飛散が問題になり、近年は微小粒子状物質「PM2・5」が高い濃度で観測されるなど“お騒がせ”な空でもある。「何が影響してるの?」。そんな住民の声を聞き、調べてみた。(安藤文暁、井上太郎) 夕焼けは太陽が地平線に傾いた時、波長の短い青系統の光が大気中で散乱して、主に赤系統の光だけが地上に達することで見られる現象だ。では、日没後にそんな光が地上にあるのか。あるなら、何に反射して空に広がっているのか。 光源について、国土交通省は航空機に高層建築物を知らせる「航空障害灯」の可能性を示唆する。神戸市は162棟、加古川市は52棟に付いているが、神戸がほとんどビルなのに対し、加古川は大半が高圧鉄塔という。 「遮るものが少なく、光が抜けやすいのでは」と担当者。高層建築の少ない加古川は街が