資本主義の終わりの始まり 白井 いわゆるアベノミクスが始動して一年あまりが経ちました。しかし、水野さんが以前から主張なさっていたように、金融緩和や成長政策といった手段では、今日の世界的経済危機は解決できないことがますます明らかになってきた。現にアメリカが量的緩和を縮小する局面に入っただけで、株価の乱高下は激しくなり、新興国の経済が危うくなってきています。アベノミクスの三本の矢にしろ、アメリカの量的緩和にしろ、解決どころか、危機の本当の姿を覆い隠すことにしかなっていません。 水野 そのとおりです。リーマン・ショックのときの金融危機は、国家に債務を肩代わりさせて乗り切りましたが、こんなことはいつまでも続けられるわけがない。 いまや世界経済が先進国の量的緩和を与件としてできあがってしまっています。そうなると、たとえ一時的に緩和を縮小したとしても、どこかでバブルが弾けて経済が低迷すれば、量的緩和を