なぜ日本の親子は互いに過剰な愛着を持ちがちなのか。エッセイストの内田也哉子氏と脳科学者の中野信子氏の共著『なんで家族を続けるの?』(文春新書)より一部を紹介する――。(第2回) 樹木希林が孫を海外の全寮制学校を薦めた理由 【中野信子(脳科学者)】一口に言うのは難しいのだけれど、人間はどうして苦しんで子どもを産むんだろうと思ったの。昭和の価値観の中で私たちは育ったでしょ。母親はどうしてこんなに義務を背負わされて、性別非対称的に子孫を繁栄させる役割を担わされているんだろうという疑問が子どもの頃からあったんです。そのしわ寄せが次世代に、そのまた次の世代にと、綿々と受け継がれていくわけでしょう。 【内田也哉子(エッセイスト)】過剰な義務となってつい、毒親にもなっちゃいますよね。誰しもが毒親になる可能性があるし、自分も意図しなくても毒親になってしまっていることがある。私は心当たりがあり過ぎて、もう子