「一度言われてみたい言葉…『殺すしかないようだな』ですかね」 「なに、それ? クシャナだっけ? マゾかい」 「違いますよこれすごい差し合いの台詞じゃないですか。『殺すしかないようだな』、殺す必然性があるわけです。殺すに足る理由。そうでしょう」 「うん」 「しかし本当に殺すならそんな台詞を言うまでもなく撃つわけです。だから、何か言ってみろ、喋ってみろと言っているわけです。その喋りの内容次第で考えてやる、ということであって、じっさい、クロトワはここをしのいでいる」 「ははあん?」 「殺すに足る理由がある、にもかかわらず、喋り次第ではそれを抱え込んで組んでやる、と言っていることになる。だから、それだけの能力がある、才覚があると、認めているという意味ですわね。お前を殺さなければならない理由があるのだが、それに拮抗するほどの価値もお前に認めているのだ、だから何か喋ってみろと。なんですかそりゃ。愛の告