8月上旬、ある平日の午前。神奈川県川崎市にあるサービス付き高齢者住宅の玄関口で、その「コンビニ」は開店の瞬間を迎えようとしていた。 ダイハツ工業の軽トラックをカスタマイズした専用車両が停まり、店員が荷台のドアを開く。食品から日用品まで300〜400種類の商品をのせて地域に繰り出す、ローソンの移動販売車だ。日経ビジネス本誌に記事を書くにあたり、取材させてもらった。 高齢者住宅に停まるローソンの移動販売車。館内放送をオープンの合図に、入居者の高齢者らが続々表に出てくる(8月上旬、神奈川県川崎市、以下ローソン関連の写真はすべて同じ) 「コンビニが到着しました。お買い求めの方は、表までどうぞ」 館内放送をオープンの合図に、まず姿をみせたのは入居者のおばあちゃんたち。しばらくしてからおじいちゃん勢も加わった。まず右側、次に後ろ側、左側……。車両に沿ってゆっくりと歩きながら、少しずつ、商品を買い物カゴ
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