日本のマンガ業界において、同人誌の存在はもはや無くてはならない物であると言える。代表的な同人誌即売会、コミックマーケットは三日間で59万人の来場者を集める巨大市場になっている。商業漫画家を目指す若者が腕を磨く場としても同人誌は機能しており、今や新人漫画家の多くが同人誌出身であるといっていいだろう。 同人誌は大きな需要がある世界であり、イベントだけではなく、漫画専門書店での全国流通も行われている。同人サークルが主要都市に支店を持つ「とらのあな」などの書店に印刷所から直接卸し、各地の同人ファンが買い求める。もちろん通販も行われている。そしてその多くは既存の漫画、アニメを素材にした二次創作同人誌である。 漫画家にとって、自作品の設定やキャラクターを流用した同人誌の存在はどういうものだろう。もちろん自作品のイメージが壊れることを嫌がる人もいるだろうが、意外と多くの作家は「同人誌にされるほど人気が出