プロフェッショナル仕事の流儀で、岐阜の古田等さんという中華料理人が出ていた。失礼ながら、岐阜の田舎で、しかも、有名店で修行を積んだ方でない。しかし、自分の創意工夫で三つ星シェフ唸らせる料理を作る。新しい伝統、定番料理を作ることを目標をする。 この人の生き方は、一見、そう簡単にできることと思われないかもしれない。一般的には、有名店で大勢の見習いの一人として苦労して修行を積む方がずっと普通のことに思われるだろう。現に古田さんも、自分が有名店で修行を積んでいないことをコンプレックスに感じていた。しかし、私は、逆だと思う。彼のやっていることは、形式はどうであれ、料理の基本を踏まえていさえすれば、誰でもができる、できるというより、目指せることではないかと思う。 この方が創作料理で頭角を現したのは、自分の味覚や自分の料理の体験で自分の料理を作ったからだ。郡上の生まれ故郷で、豊かな味覚で育った経験が大き