大学時代の友人が、蕎麦屋の開業を検討している。 僕と同じ歳、53才か54才である。 伊達や酔狂で蕎麦屋のオヤジになるわけではなく、それで家のローンや子供の学費も稼ぐ必要がある。 蕎麦屋だけは、やめろよ、と言いたい。 心配で仕方がない。 先に脱サラしてビジネスを始めたものとして、たったひとつのアドバイスは、 1回のトライアルに、すべてをかけることは、よせ。 である。 サラリーマンの頭で考えることは、どうしても、浮世離れしている。 そして、多くの脱サラは失敗する。 でも、せめて、数回のトライアルができれば、世間というものもよくわかるようになり、やがて、立ち上がっていけると思うのだ。 蕎麦屋、って聞いてびっくりした。 つまり、1回のトライアルにすべてをかけて、一か八かの賭けをする、ということだ。 しかも、環境の厳しい外食産業のなかでも、手打ちそば屋ほど、厳しい業種はないように感じる。 そもそも、