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歴史に関するhharunagaのブックマーク (868)

  • 書評『倭寇とは何か』岡本隆司著 - 日本経済新聞

    世間において、「倭寇(わこう)」は主に13世紀から16世紀ごろに東シナ海で活動した海賊および交易集団として理解されている。前期は日人、後期は中国人が主体だったとする説も広く知られる。ただ、中国人が中心の倭寇とは、そもそも「倭寇」と呼べる存在なのかという疑問も残る。著者はこの問いに、「倭寇」を再定義することで応える。異国(≒倭)の要素をまとった中華、いわゆる華夷同体の混成的な存在そのものを「倭

    書評『倭寇とは何か』岡本隆司著 - 日本経済新聞
    hharunaga
    hharunaga 2025/04/05
    “近代版の華夷同体の世界から生まれ出たのが、長い海外経験を持つ孫文である。彼の後輩たる蔣介石や毛沢東もまた、…海外勢力と結びついた中華。すなわち「倭寇」的な要素を持つ勢力であった”。評:安田峰俊。
  • 「恐怖とパニックの人類史」書評 不安を管理する「支配の論理」|好書好日

    「恐怖とパニックの人類史」 [著]ロバート・ペッカム 第2次トランプ政権が繰り出す「トンデモ」政策に、米国のみならず世界全体が恐怖を覚え、パニックともいえる動揺が広がっている。原書は2年前の出版だが、その時点で著者が、思想と表現の自由が抑圧され、民主主義が瓦解(がかい)すると見抜いているのが、慧眼(けいがん)だ。 人類の歴史を中世の疫病蔓延(まんえん)から始め、恐怖とパニックがいかに統治者や資家、メディアや行政官により政治化され、支配の道具とされてきたかを書は追う。そこで取り上げるのは、フランス革命後の恐怖政治や、ナチス・ドイツ、スターリンのソ連といった全体主義下での恐怖による圧政だけではない。ヨーロッパが都市化し、さまざまな階層、出身の住民の間の距離が縮まり、密な空間での感染症への恐怖が高まり、工業化したことで産業機械に命を奪われることに、怯(おび)える。 群衆の恐怖とパニックは、近

    「恐怖とパニックの人類史」書評 不安を管理する「支配の論理」|好書好日
    hharunaga
    hharunaga 2025/04/05
    「著者の主張は、恐怖が他者との間で相互依存的に成立するということだ。…今の恐怖は、連続したさまざまな過去の出来事が結びついて存在するのだ」。評:酒井啓子。著:ロバート・ペッカム。東京堂出版。
  • <書評>『増補新版 終戦と近衛上奏(じょうそう)文 アジア・太平洋戦争と共産主義陰謀説』新谷卓(あらや・たかし) 著:東京新聞デジタル

    敗色濃い昭和20(1945)年2月に、元首相の近衛文麿が、昭和天皇に早期和平と共産革命への警戒を直接訴えたのが「近衛上奏文」である。昭和天皇の容(い)れる所とはならず、戦争はあと半年続いた。 吉田茂も関与した「上奏文」は空疎な妄想なのか、「アカ」をめぐる陰謀論なのか。書は、近衛の中で、上奏内容が形成される過程を丁寧に、詳細に検討していく。

    <書評>『増補新版 終戦と近衛上奏(じょうそう)文 アジア・太平洋戦争と共産主義陰謀説』新谷卓(あらや・たかし) 著:東京新聞デジタル
    hharunaga
    hharunaga 2025/03/30
    “近衛文麿が、昭和天皇に早期和平と共産革命への警戒を直接訴えたのが「近衛上奏文」…。本書は「『陰謀論』の歴史的な事例研究」としても書かれた。陰謀論の解毒剤としても…”
  • 攻撃背景に植民地主義 パレスチナ問題の本を邦訳、出版 一橋大・鵜飼名誉教授:東京新聞デジタル

    イスラエルはなぜ1年3カ月にわたり、多くの犠牲をいとわずパレスチナ自治区ガザへの攻撃を続けたのか-。その背景には「植民地主義」があると、一橋大の鵜飼哲名誉教授(フランス文学)が主張している。昨年10月には、見解を同じくするカナダ在住のユダヤ教徒の歴史学者ヤコヴ・ラブキンさん=写真=がフランス語で著した『イスラエルとパレスチナ』を邦訳し、岩波書店から出版。紛争の原因を虚心に見極め、平和のために声を上げるべきだと訴える。 (林啓太) ユダヤ人は、ナチス・ドイツのホロコースト(大虐殺)の被害に遭った「弱者」とその子孫だと考えられがちだ。しかし鵜飼さんは「多くのユダヤ人がナチスの絶滅政策の犠牲になったのは、紛れもない事実」と強調した上で、19世紀末から今に至るユダヤ人側の「暴力の系譜」も指摘する。 19世紀の後半から20世紀初めにかけて、ロシアやポーランド、ウクライナでは、キリスト教徒らがユダヤ人

    攻撃背景に植民地主義 パレスチナ問題の本を邦訳、出版 一橋大・鵜飼名誉教授:東京新聞デジタル
    hharunaga
    hharunaga 2025/03/09
    「パレスチナ人への差別を反省し、国家の前提としている排他的な民族観を根本から改めることが必要だ」「(『イスラエルとパレスチナ』著者の)ラブキンさんは、変化への鍵がユダヤ教の伝統の中にあるとみている」
  • <書評>『一〇の国旗の下で 満洲に生きたラトヴィア人』エドガルス・カッタイス 著:東京新聞デジタル

    第2次世界大戦後、バルト3国の一つ、ラトビアで日中国の文芸文化の紹介に活躍した著者は、満洲(現中国東北部)に生まれ育った。文字通り「一〇の国旗の下で」過ごした前半生を回想したのが書だ。 1904年、勃発した日露戦争は、帝政ロシア支配下のラトビアから1人の機関士を満洲に呼び寄せた。ロシアが敷設した東清鉄道沿線の小さな村で23年、著者は機関士の息子として生まれた。3年後、父はハルビンに転勤。空に揺れていた中華民国旗は、やがて蔣介石国民党政府の旗に代わった。31年9月、著者はアメリカ国旗の立つYMCAギムナジウムの門をくぐった。ロシア正教の学校で、祝祭日には帝政ロシアの三色旗がはためいた。在留ロシア人と中国人子弟が大半、ユダヤ人やポーランド系などの生徒もいた。同じ9月、日の関東軍が満洲事変を画策。翌年にはハルビンの空に日の丸と満洲国旗が翻った。

    <書評>『一〇の国旗の下で 満洲に生きたラトヴィア人』エドガルス・カッタイス 著:東京新聞デジタル
    hharunaga
    hharunaga 2025/03/02
    “様々な民族が出入りしたハルビンの日常…。著者は満洲を「二度と繰り返されることのない地球のすばらしい一郭(いっかく)」と呼ぶ”。評:鈴木貞美。作品社。
  • 書評『検証 治安維持法』荻野富士夫著 - 日本経済新聞

    治安維持法とは1925年(大正14年)に成立した思想弾圧法で、「国体」変革を試みる者や私有財産制度を否認する者をその対象としていた。前者は無政府主義者、後者は共産党員を指す。彼らが当局の徹底的な取り締まりで壊滅させられると、その矛先は自由主義者や民主主義者、宗教団体、はては戦時下でささいな反戦的言動をした者にまで向けられた。書はそれを「法の暴力」という言葉で端的に表現する。そのような横暴な運

    書評『検証 治安維持法』荻野富士夫著 - 日本経済新聞
    hharunaga
    hharunaga 2025/03/01
    “日本の植民地だった朝鮮・台湾における運用状況についても綿密な調査を行い、その実態を解明している。現地の独立運動は「国体」変革にあたるとされ、死刑を含む厳しい処罰が行われた”。評:一ノ瀬俊也。
  • 「満洲」 在地社会と植民者(上田 貴子 ・西澤 泰彦 編)| 京都大学学術出版会

    植民地近代の一時期だけ切り取ることで,在地社会の連綿とした営為を見過ごしていないか?「満洲」で生じた在地社会と植民者との出会いとその後の変化について,医療、工学、畜産、林業にまつわる技術を軸にとらえ直す。新たな「満洲」史。 上田 貴子(うえだ たかこ) 近畿大学文芸学部・教授 博士(学術) 『奉天の近代――移民社会における商会・企業・善堂』京都大学学術出版会、2017 「戦後大阪神戸における山東幇の生存戦略――山東系中華料理店のビジネスモデルを中心に」『冷戦アジアと華僑華人』(編)陳來幸、風響社、2023 西澤 泰彦(にしざわ やすひこ) 名古屋大学環境学研究科・教授 博士(工学) 『日植民地建築論』名古屋大学出版会、2008 『植民地建築紀行――満洲・朝鮮・台湾を歩く』吉川弘文館、2011 『東アジアの建築家――世紀末から日中戦争』柏書房、2011 財吉拉胡(さいじらほ、Saijira

    「満洲」 在地社会と植民者(上田 貴子 ・西澤 泰彦 編)| 京都大学学術出版会
    hharunaga
    hharunaga 2025/02/28
    “植民地近代の一時期だけ切り取ることで,在地社会の連綿とした営為を見過ごしていないか?「満洲」で生じた在地社会と植民者との出会いとその後の変化について…とらえ直す。新たな「満洲」史”
  • 「〈ロシア〉が変えた江戸時代」書評 黒船より早く届いた北方の足音|好書好日

    ロシア〉が変えた江戸時代: 世界認識の転換と近代の序章 (歴史文化ライブラリー 613) 著者:岩﨑 奈緒子 出版社:吉川弘文館 ジャンル:歴史・地理 「〈ロシア〉が変えた江戸時代」 [著]岩﨑奈緒子 ペリーの来航を扱った狂歌〈泰平の眠りを覚ます上喜撰(蒸気船) たった四杯で夜も眠れず〉は、私たちに幕末のイメージを強く植えつけている。巨大な黒船の出現が、当時どれほど衝撃だったか。 そしておそらく幕府はぼんやりしていて、泰平の夢をむさぼっていたに違いない。そんなふうに思い込んでいるとすれば修正が必要だ。少なくとも一部の幕閣や知識人たちは、とっくに眠りから覚めていたと、書は教えてくれる。 きっかけはペリー来航の約80年前。ある異国人から不穏な情報がもたらされた。「ルス国」の船が「かむしかってか」に集結し、「クルリイス」にとりでを築いている――。ロシアによるカムチャツカや千島列島への進出を伝

    「〈ロシア〉が変えた江戸時代」書評 黒船より早く届いた北方の足音|好書好日
    hharunaga
    hharunaga 2025/02/22
    “彼ら(工藤平助、前野良沢、松平定信ら)が西洋の書物や蝦夷地の調査を通じて「ルス国」の実態に迫っていく様子は、「プロジェクトX」の趣がある”。著:岩﨑奈緒子。吉川弘文館。
  • 『論点・西洋史学』(ミネルヴァ書房) - 著者:藤井 崇,青谷 秀紀,古谷 大輔,坂本 優一郎,小野沢 透 監修:金澤 周作 - 本村 凌二による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    書は、古代から現代に至る西洋の過去に関して、真実=正解を求めて幾通りもの主張が戦わされているポイント、すなわち「論点」だけを集めたテキストです。「論点」に触れ、主体的に思考する… 書は、古代から現代に至る西洋の過去に関して、真実=正解を求めて幾通りもの主張が戦わされているポイント、すなわち「論点」だけを集めたテキストです。「論点」に触れ、主体的に思考することで、歴史学ならではの醍醐味が味わえます。各項目は“史実”“論点”“歴史学的に考察するポイント”の3パートから構成され、語句説明やクロスリファレンスも充実。世界史の知識がなくとも理解が進む工夫が満載! 目次 1 西洋古代史の論点(ホメロスの社会;ポリス形成論 ほか) 2 西洋中世史の論点(中世初期国家論;カロリング・ルネサンス ほか) 3 西洋近世史の論点(世界システム論;世界分割(デマルカシオン) ほか) 4 西洋近代史の論点(フラ

    『論点・西洋史学』(ミネルヴァ書房) - 著者:藤井 崇,青谷 秀紀,古谷 大輔,坂本 優一郎,小野沢 透 監修:金澤 周作 - 本村 凌二による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    hharunaga
    hharunaga 2025/02/21
    「一三九の項目をとりあげ、第一線の研究者が執筆しているのだから、信頼度は比類ないのだ。しかも、見開き二頁のなかに要領よくまとめられているから、簡潔に要点を理解できる。」
  • 約2000年前のローマ帝国による支配が現代人の幸福や性格に影響を及ぼしていることが判明

    ローマ帝国は最盛期にヨーロッパから中東、北アフリカにまたがる広大な領域を支配し、現代でも幅広い地域でローマ帝国時代の遺構を確認することができます。新たな研究では、「ドイツの中でかつてローマ帝国に支配されていた地域とローマ帝国外だった地域では、人々の幸福や性格に違いがある」ことが判明しました。 Roma Eterna? Roman Rule Explains Regional Well-Being Divides in Germany - ScienceDirect https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2666622725000012 Ancient Roman rule continues to shape personality and well-being in Germany, study suggests https

    約2000年前のローマ帝国による支配が現代人の幸福や性格に影響を及ぼしていることが判明
    hharunaga
    hharunaga 2025/02/01
    ライン川とドナウ川を結ぶリーメス(リメス)という長城があり、ラテン語で(ローマ帝国の)「境界」を意味し、英語Limitの語源でもあるとは、恥ずかしながら知らなかった…。
  • 「法の人類史」書評 社会のビジョンを提示する役割|好書好日

    「法の人類史」 [著]フェルナンダ・ピリー 法は、社会秩序を守る上で欠かせないとされている。では、それはどこから生まれたのか。古代ローマから近代ヨーロッパに至る法の支配の歴史は有名だが、西洋以外でも様々な社会が法を作ってきた。書は、従来の西洋中心的な見方を改め、法の世界史を展望する。 書によれば、今日の法にはメソポタミア、インド、中国という3つの源流があった。何かと特別視されがちなローマ法は、実はメソポタミアの伝統に属する多様な法の1つであり、ユダヤやイスラムの法と同系統に属する。また、法が支配者を縛るのもローマ法の専売特許ではない。インドではヒンドゥーの法を司(つかさど)るバラモンが王の権力に制限を加えた。中国のように、皇帝は法に縛られないとするモデルは、むしろ例外なのだ。 さらに書は、法には実用的な目的だけでなく、社会のビジョンを提示する役割もあると指摘する。例えば、ハンムラピ法

    「法の人類史」書評 社会のビジョンを提示する役割|好書好日
    hharunaga
    hharunaga 2025/02/01
    「今日の法にはメソポタミア、インド、中国という3つの源流があった。何かと特別視されがちなローマ法は、実はメソポタミアの伝統に属する多様な法の1つであり、ユダヤやイスラムの法と同系統に属する」
  • 「休息の歴史」書評 産業革命前は創造的な営み|好書好日

    「休息の歴史」 [著]アラン・コルバン 私は疲れている。だから休息について豊かな言葉が紡がれる書に惹(ひ)かれた。現代の休日は労働の疲れを癒やし、再び労働に向かうためのものになってしまっている。書はこうした考えが産業革命以降のものであるとして、過去の世界でどう違っていたのかを教えてくれる。 もともと日曜日に休む習慣は旧約聖書の定める安息日に由来するが、これは祈りなど宗教的活動に捧げるべき日だった。働かないがゆえに聖なる日だったのである。老年期の引退や隠居、社交しない引きこもり生活、更には政治的失脚や監禁状態にも休息としての価値を見出(みいだ)す人はいたようだ。要は18世紀頃まで、休息とは喧噪(けんそう)を離れて己をよく知り、心の平穏を保ち、自分自身に戻るための創造的な営みと考えられていたのである。 著者アラン・コルバンは1936年生まれ、「においの歴史」など、一昔前では歴史学の対象にな

    「休息の歴史」書評 産業革命前は創造的な営み|好書好日
    hharunaga
    hharunaga 2025/02/01
    「18世紀頃まで、休息とは喧噪(けんそう)を離れて己をよく知り、心の平穏を保ち、自分自身に戻るための創造的な営みと考えられていた」。評:隠岐さや香。著:アラン・コルバン。藤原書店。
  • <著者は語る>仮想の「別世」をつくった 『蔦屋重三郎 江戸を編集した男』 法政大学名誉教授・前総長 田中優子さん:東京新聞デジタル

    私たちは、自身を取り巻く現実が人生の全てだと思い込みがちだ。でも見方を変えれば、愉快で新鮮な別の現実が立ち現れてくる。書で迫った江戸時代の出版業者・蔦屋重三郎(1750~97年)の仕事を、「日常生活において『別世(べつよ)』をつくった」と評価する。

    <著者は語る>仮想の「別世」をつくった 『蔦屋重三郎 江戸を編集した男』 法政大学名誉教授・前総長 田中優子さん:東京新聞デジタル
    hharunaga
    hharunaga 2025/01/26
    “(吉原での買春は)「『性』の部分だけを切り離して消費する人権侵害だった」。それでも、遊女を草花に見立てる重三郎のまなざしには「遊女の人柄や、人間としての全体への関心を感じる」”
  • 伊ポンペイで浴場施設発掘 宴会場併設、接待に活用か

    【ローマ共同】国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産に登録されているイタリア南部の古代都市遺跡ポンペイで、邸宅跡から浴場施設が発掘された。ポンペイにある個人の浴場施設で最大規模。宴会場に併設していることから、有力者が接待に活用したとみられる。ポンペイ考古学公園が17日に発表した。 浴場施設には高温、微温、冷浴室の3部屋があり、最大30人を収容できたとみられる。冷浴室には大きなプールがあった。選挙運動の際などに活用されたと考えられ、担当者は「邸宅が自己宣伝の舞台だったことを伝えている」と指摘した。 ポンペイは西暦79年、ベズビオ山の噴火による火砕流で埋まり、壊滅した。

    伊ポンペイで浴場施設発掘 宴会場併設、接待に活用か
    hharunaga
    hharunaga 2025/01/20
    “個人の浴場施設で…3部屋があり、最大30人を収容できたとみられる。…選挙運動の際などに活用されたと考えられ、担当者は「邸宅が自己宣伝の舞台だったことを伝えている」と指摘した”
  • <書評>『暴動の時代に生きて 山谷 ’68-’86』中山幸雄(ゆきお) 著 上山純二・原口剛(たけし) 編:東京新聞デジタル

    年末、越冬炊き出しの横断幕にこの言葉を見た。東京の山谷(さんや)、大阪の釜ケ崎と並ぶ日雇い労働者の集住地域、かつて寄せ場と呼ばれた横浜の寿町でのこと。高度経済成長と消費社会の只中(ただなか)で起きた暴動の時代のスローガンである。 寄せ場の暴動は賃金搾取や労災もみ消し、使い捨ての非人間的な不正に対する日雇い労働者の怒りの発露だった。書は1968~86年を軸に、山谷で労働運動に取り組んだ中山幸雄が、暴動の時代を語った稀有(けう)な回想録だ。 寄せ場の労働形態は派遣などの名称に変わり、あまねく社会化して久しい。非正規が労働人口の約4割を占める今日、その形態の元が寄せ場にあることは忘れられがちである。そして忘却の最たるものが暴動の意味であることを、書は物語って余りある。

    <書評>『暴動の時代に生きて 山谷 ’68-’86』中山幸雄(ゆきお) 著 上山純二・原口剛(たけし) 編:東京新聞デジタル
    hharunaga
    hharunaga 2025/01/19
    「非正規が労働人口の約4割を占める今日、その形態の元が寄せ場にあることは忘れられがちである。そして忘却の最たるものが暴動の意味である」。評:米田綱路。月曜社。
  • 地理で考える「日本の都市」に城壁が存在しない謎

    城壁が広がる世界の都市 日の都市と世界の都市を比較すると、日の都市に見られる1つの特殊な部分が浮かび上がります。それは、「城壁がない」ということです。 世界的に見ると、王がいる都市の周辺には、王を守るために壁が作られている場合が多いです。市街地が城壁で囲まれた集落は、城塞都市・城郭都市とも呼ばれます。 例えばイラクのバグダッドには、今でも古代の城壁が残っています。イタリアにもアウレリアヌス城壁などが残るほか、トルコのイスタンブールも市街地を囲むように城壁が広がっていたと言われており、現在でも訪れることができます。漫画「進撃の巨人」でも、主人公たちは3つの壁に囲まれた都市に住んでいるという設定でしたね。 一方で、日は都市全体を囲むような城壁はほぼ存在しなかったと言われています。もちろんまったく存在していなかったわけではなく、「土塁」と呼ばれる土で作られた堤防は存在していました。またその

    地理で考える「日本の都市」に城壁が存在しない謎
    hharunaga
    hharunaga 2025/01/16
    “日本に「城壁」が少ないのは、日本の国土・風土とあまり合っていないからです。山が多く、地震も発生し、多雨な日本では、「堀」のほうが防御として適していた”
  • <書評>『日本ファッションの一五〇年 明治から現代まで』平芳裕子 著:東京新聞デジタル

    書は日人が西洋の洋服と出会った幕末・明治初期から、ユニクロやZOZOTOWNが流行する現在まで、ファッションの150年間を250ページにまとめている。しかし内容が薄い概説書ではない。ファッション史を通して、社会や文化がどのように形成されたのか、人々の思考や行動がどう変容したのかを明らかにする好著である。 19世紀後半に西洋列強と肩を並べるため、日は西洋化・近代化を可視化する必要に迫られた。その結果、男性の洋装は早期に実現する。しかし女性に洋服が普及し始めるのは、西洋でコルセットの駆逐というファッション革命が起きた20世紀前半である。ウエストではなく肩を起点とする直線的なシルエットの洋服は、直線的に裁断する和服に馴(な)れた日女性も受け入れやすい。やがて都市空間を闊歩(かっぽ)するモダンガールの姿が目立つようになった。

    <書評>『日本ファッションの一五〇年 明治から現代まで』平芳裕子 著:東京新聞デジタル
    hharunaga
    hharunaga 2025/01/12
    「見事なのは、戦前と戦後を地続きに捉えたことである。…総動員体制下で男性は、国民服を着用するようになった。この歴史的体験が、戦後のスーツという強固な同調主義を生み出した…」。評:和田博文。
  • 「海に眠るダイヤモンド」がスルーした軍艦島もう一つの過酷 「働きます」と言うまで殴られた朝鮮人労働者:東京新聞デジタル

    長崎市の端島(はしま、通称・軍艦島)が「明治日の産業革命遺産」の一つとして世界文化遺産に登録されて来年で10年。今年はテレビドラマの舞台にもなり、かつての過酷な炭鉱労働や廃虚化に伴う保全が注目されたが、戦時動員された朝鮮人労働者の存在は伝わっていない。日が朝鮮を植民地としていた時代、端島の朝鮮人たちはどう暮らしていたのか。知られざる歴史の断片を追った。(西田直晃、太田理英子)  長崎港から南西に約18.5キロの海上に浮かぶ端島。東京ドーム1.3個分の人工島に最盛期は5300人が暮らし、1974年の閉山まで最高級の炭を産出していた。2015年には端島を含む8カ所が「明治日の産業革命遺産」として世界遺産に登録された。

    「海に眠るダイヤモンド」がスルーした軍艦島もう一つの過酷 「働きます」と言うまで殴られた朝鮮人労働者:東京新聞デジタル
    hharunaga
    hharunaga 2024/12/24
    「前者(1910年の韓国併合以降)と比べ、集団で連行された後者(1939年の日本政府の労務動員計画策定以降)は過酷な労働を強いられた。」
  • 書評『家父長制の起源』アンジェラ・サイニー著 単純化してきた通説を解体 - 日本経済新聞

    男性が女性を支配する「家父長制」の起源はどこにあるのか、人類の歴史の始まりから続く不変のものであるのか、という問いかけから始まる書は、ページをめくる手が止まらなくなるほど、スリリングな読書体験を与えてくれる。キャスター、記者でありガーディアン他の媒体に寄稿している著者のサイニーは、すでに翻訳書も刊行され、日でも知られたイギリスの科学ジャーナリストである。社会的な諸問題を科学的手法で紐(ひ

    書評『家父長制の起源』アンジェラ・サイニー著 単純化してきた通説を解体 - 日本経済新聞
    hharunaga
    hharunaga 2024/12/21
    「著者が試みるのは、近代以降の学問が女性に対する家父長制的な抑圧の普遍的な根拠を見つけようとするあまり、問題を単純化してきた通説の解体である」。評:田中東子。集英社。
  • ララビアータ:ギリシア人の若さ - livedoor Blog(ブログ)

    最近、ホメロスという題でカルチャースクールで講演する機会があり、そのためホメロスについて再考する機会を得た。以前にも論じたことがあるが、論じ残していた問題に気付いたので、ここにメモしておく。 『ティマイオス』には次のような一節がある。 「あなた方ギリシア人は、いつも子供です。あなた方はみな心が若いのです。…それは、あなた方が太古から伝わる記録も、蒼古たる学識も、何一つ心にとどめていないから」 確かに彼らも、ヘロドトスとツキュディデスという立派な歴史を持ってはいる。しかし彼らは、独自の問いと強烈な問題関心を持った個性的な思索者であったのであり、共有され、そこへと統合されるべき正史の伝統を持たなかった。その意味で彼らは、ともにアマチュアとして歴史に取り組んだということができる。 それに対して、ユダヤ人の歴史や古代中国歴史は、たとえその中にも多くのフィクションが混じっていたにせよ、その細部はど

    hharunaga
    hharunaga 2024/12/13
    「彼ら(ギリシア人)は、ともにアマチュアとして歴史に取り組んだ…」「カギは、ギリシア人の重装歩兵戦法にある。彼らはそこで、団結こそ力であることを学んだ。…ポリス的なものの本質をつかんだのだ」(田島正樹