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歴史に関するhharunagaのブックマーク (840)

  • 書評『歴史学はこう考える』松沢裕作著 専門知のありようを言葉に - 日本経済新聞

    歴史学と社会はいま「接近期」にある。高等学校では「歴史総合」などが始まり、議論や発表を通じて生徒が主体的に歴史を学ぶことが求められるようになっている。「パブリック・ヒストリー」論は「専門家/非専門家」という上下関係ではなく、多様な主体が権威を共有することによってフラットにつながり共同するという関係性を主張して、一定の支持を得ている。ドラマや映画漫画ゲームなど、私たちが歴史に接する機会は依然と

    書評『歴史学はこう考える』松沢裕作著 専門知のありようを言葉に - 日本経済新聞
    hharunaga
    hharunaga 2024/11/02
    “専門知に対する社会からの信頼はどのようにして得られるのか。…本書の回答は、「手の内をさらす」というものだ。…歴史研究者の間で「暗黙知」となっているさまざまな前提を…言葉にしていく”。評:小野寺拓也。
  • <書評>『吾妻鏡 鎌倉幕府「正史」の虚実』藪本勝治(やぶもと・かつはる) 著:東京新聞 TOKYO Web

    「日書紀などの歴史書はほんの一面的な記録にすぎない。物語にこそ道理に叶(かな)った詳しいことが書かれているのでしょう」。『源氏物語』で展開される名高い物語論である。それから約300年後に編纂(へんさん)された『吾鏡』を読むたび、この一節が思い起こされる。 正史の体裁をとった同書は、鎌倉時代を研究する際の根史料として重視されている。しかし、編纂時の権力者である北条得宗家(北条氏の嫡流)に不都合なことは記されず(省筆)、史実が曲げられていることはつとに知られている。2代将軍頼家は暗愚、3代将軍実朝は文弱といったイメージの形成が代表例だ。同書が伝える歴史は、まさに一面に過ぎないわけである。 書はそうした先行研究を踏まえつつ、「北条貞時による得宗政権がいかに正統なものであるか、いかに絶対的なものであるかを、歴史的に裏付けるための過去像を創出した物語」が『吾鏡』であると指摘。頼朝挙兵や承久

    <書評>『吾妻鏡 鎌倉幕府「正史」の虚実』藪本勝治(やぶもと・かつはる) 著:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/10/27
    “「現在を肯定するために過去を利己的に語り直したがる我々の今も変わらぬ営みを、未来永劫逆照射し続けている」という著者の視線は、現在進行中のあらゆる紛争や自分語りに当てはまり…”。評:大塚ひかり。
  • 書評『妖怪を名づける』香川雅信著 江戸期に大増殖 俳諧と接点 - 日本経済新聞

    「妖怪博士」の異名でも幅広く親しまれている、香川雅信学芸員の新刊が出た。副題の「鬼魅の名は」は、映画「君の名は。」の愉快なパロディだが、同時に、江戸時代における「妖怪」の別称でもあるという、まことに由緒ただしき言葉だ。氏の主著である『江戸の妖怪革命』は、室町・戦国期まで「鬼」や「河童(かっぱ)」「狐狸(こり)」など、限られた区分しかなかった妖怪たちの種別が、江戸期に突如として大増殖を遂げ、ひ

    書評『妖怪を名づける』香川雅信著 江戸期に大増殖 俳諧と接点 - 日本経済新聞
    hharunaga
    hharunaga 2024/10/05
    “(『江戸の妖怪革命』の)続編である本書では、江戸期における妖怪大増殖の背後に、当時おなじく大流行した「俳諧」からの影響を抜かりなく看取し…、丹念にその時代的変遷を跡づけて…”。評:東 雅夫。
  • 「ウィーン1938年 最後の日々」書評 ナチスの傷痕 終わらぬ「輪舞」|好書好日

    「ウィーン1938年 最後の日々」 [著]高橋義彦 現代美術(アート)の世界でウィーンが話題になることはあまりない。だが、現代美術かどうかを問わず、日で美術に関心を持つものにとって、ウィーンは最重要の意味を持つ。「美術」という語そのものが、1873(明治6)年に日政府がウィーンで開催された万博に初めて参加する際に翻訳語として作られたものだ。 わたしはかねてウィーンに関心を持ち、訪ねてきた。が、そこで目にするのは、ヒトラーのナチス・ドイツによる「アンシュルス(オーストリア併合)」が残した傷痕でもあった。書は、このアンシュルスの前後に、かつてヨーロッパで最大級を誇った芸術都市で、政治家や芸術家により、どのような「輪舞」(19世紀末ウィーンを代表する作家シュニッツラーによる戯曲)が繰り広げられたかを描き出したものである。 精密な資料研究にもとづきながら、著者の筆致はそれこそ輪舞調で、専門書

    「ウィーン1938年 最後の日々」書評 ナチスの傷痕 終わらぬ「輪舞」|好書好日
    hharunaga
    hharunaga 2024/09/28
    “日本で美術に関心を持つものにとって、ウィーンは最重要の意味を持つ。「美術」という語そのものが、1873(明治6)年に…ウィーンで開催された万博に初めて参加する際に翻訳語として作られたもの”。著:高橋義彦。
  • <書評>『「昭和天皇拝謁(はいえつ)記」を読む 象徴天皇制への道』古川隆久、茶谷(ちゃだに)誠一ほか 著:東京新聞 TOKYO Web

    書のタイトルにある「昭和天皇拝謁記」とは、戦後の講和前後の時期に初代宮内庁長官を務めた田島道治(みちじ)(1885~1968年)が書き残した、49年から53年にかけての昭和天皇との対話記録である。通常の日記とは異なり、日々の天皇と田島のやりとりだけが記されている。「拝謁記」全文は、日記・関係資料とともに2023年に岩波書店から全7巻の刊行が完結している。書は「拝謁記」の編集と各巻の解説を執筆した古川隆久氏はじめ6人の研究者と、「拝謁記」の発掘と公開に尽力したジャーナリスト吉見直人(まさと)氏による共著である。 「拝謁記」における天皇と田島のやりとりは、天皇による戦争の回顧・悔恨、戦後の政治・社会情勢に対する天皇の観察と危惧、「象徴」としての役割の模索、秩父宮ら直宮や旧皇族との確執、皇太子への期待など実に多岐にわたっている。また、田島は、天皇が皇太子を「東宮ちゃん」と呼んだり、「~なんだ

    <書評>『「昭和天皇拝謁(はいえつ)記」を読む 象徴天皇制への道』古川隆久、茶谷(ちゃだに)誠一ほか 著:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/09/24
    “天皇が皇太子を「東宮ちゃん」と呼んだり、「~なんだけどネー」といった語り口をそのまま記すとともに、なかなか戦前的な統治者意識が抜けず、また、…天皇の弁解的な発言に対する…率直な諫言を含めて記録”
  • ヨーロッパ文明の黎明(ヴィア・ゴードン・チャイルド/近藤 義郎・下垣 仁志 訳)| 京都大学学術出版会

    ヨーロッパ文明の黎明 ヴィア・ゴードン・チャイルド/近藤 義郎・下垣 仁志 訳 A5上製・630頁 ISBN: 9784814005475 発行年月: 2024/09 体: 5,700円(税込 6,270円) 体系性を完備した専門分野としての考古学の確立を告げた書には、この学問がたどることになる軌跡と、その道程で出会う困難と克服へのヒントが既に予告されていた。しかし、そのことを十分に読み込み感得することは、この書物を生涯の「プロジェクト」とした知の巨人ヴィア・ゴードン・チャイルドの、過去と同時代と未来との対峙の構えの全体的な把握なしには困難である。この翻訳事業は、各改版時の変更とその含意の検討を手がかりに「プロジェクト」としての書の性格を浮き彫りにすることにより、その含意の確実な定位と、その可能性の核心へと読者がそれぞれに接近することを可能にした。 名声高くも謎(エニグマ)的であった

    ヨーロッパ文明の黎明(ヴィア・ゴードン・チャイルド/近藤 義郎・下垣 仁志 訳)| 京都大学学術出版会
    hharunaga
    hharunaga 2024/09/22
    「ヨーロッパ人類史を解明し、ビッグ・ヒストリー考古学の元祖と言われ、ポップカルチャーの考古学者像にも影響を与えたこの傑物の若き日の代表作、本邦初訳。」
  • 『パピルスが語る古代都市: ローマ支配下エジプトのギリシア人』(知泉書館) - 著者:ピーター・パーソンズ 翻訳:髙橋 亮介 - 本村 凌二による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    1897年,イギリスのエジプト探検隊は,ナイル中部の失われた古代都市オクシリンコスで,ゴミの山から『トマスによる福音書』が書かれた一葉のパピルス紙を発見した。以後,陸続と発掘されたギリシ… 1897年,イギリスのエジプト探検隊は,ナイル中部の失われた古代都市オクシリンコスで,ゴミの山から『トマスによる福音書』が書かれた一葉のパピルス紙を発見した。以後,陸続と発掘されたギリシア語パピルスは,その地の人々が廃棄した古典文学や聖書の断片,そして個人の手紙や実務文書など膨大な生活の記録であった。 クレオパトラの死により紀元1世紀にプトレマイオス朝が滅亡した後,エジプトはローマ帝国の属州となったが,支配層をギリシア人が占めるギリシア世界であった。彼らはエジプトに同化しながらギリシア文化を拠り所とし,文字はギリシア語で記すことを決めたのである。 書は,オックスフォード大学で古典ギリシア語教授を務めた

    『パピルスが語る古代都市: ローマ支配下エジプトのギリシア人』(知泉書館) - 著者:ピーター・パーソンズ 翻訳:髙橋 亮介 - 本村 凌二による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    hharunaga
    hharunaga 2024/09/22
    “クレオパトラの…後,エジプトはローマ帝国の属州となったが,支配層をギリシア人が占めるギリシア世界であった。…そこに生きていた人々の息づかいすらも聞こえてきそうである”
  • <書評>『西郷従道(じゅうどう) 維新革命を追求した最強の「弟」』小川原(おがわら)正道 著:東京新聞 TOKYO Web

    明治維新の三傑の一人、西郷隆盛を兄にもつ西郷従道の伝記は、史料の制約があり、数は少ない。だが、著者は、東大史料編纂(へんさん)所所蔵の「島津家文書」にある書簡(従道に宛てて政治家や軍人などが出した書簡をの清子が保存)や、国立国会図書館憲政資料室に所蔵・寄託されている政治家や軍人の関係文書、鹿児島県歴史・美術センター黎明館や宮内庁書陵部などに残された書簡や書類などを渉猟し、「大西郷」の兄に対する「小西郷」の弟という通俗的なイメージから従道像を救い出そうと努力している。 偉大な兄の庇護(ひご)と協力を得て成長してきた従道にとって、西南戦争で「賊軍」の指導者に担ぎ上げられた兄が敗れて自刃に追い込まれたことは衝撃以外のなにものでもなかった。兄が征韓論で敗れて下野するとき、自分が政府に残ることは兄も了承済みだったとはいえ、の清子によれば、兄の死を知ったとき、従道は「家の中に入らず庭に佇(たたず)

    <書評>『西郷従道(じゅうどう) 維新革命を追求した最強の「弟」』小川原(おがわら)正道 著:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2024/09/15
    「晩年、…兄を上回る位階や爵位は返上したいと申し出たという。…顕官を求めず、信頼する部下に仕事を任せ、失敗の責任は自分がとるという従道の性格をよく表している」。評:根井雅弘。
  • 「アメリカ革命」 自由と平等の建国イメージを解体 朝日新聞書評から|好書好日

    アメリカ革命-独立戦争から憲法制定、民主主義の拡大まで (中公新書 2817) 著者:上村 剛 出版社:中央公論新社 ジャンル:歴史・地理 「アメリカ革命」 [著]上村剛 18世紀末のアメリカ革命は、日では民主主義の起源として描かれることが多い。一般的なのは、イギリスの圧政に対して植民地の人々が立ち上がり、自由の国を打ち立てたという物語だろう。だが、こうした見方は建国に携わった白人男性のエリートたちを過度に英雄視するものだ。書は、最新の研究成果に基づき、このイメージに二つの角度から挑戦する。 第一に、書はこの革命を民主主義の始まりとしてではなく、世界初の成文憲法の成立として描く。重要なのは、多数の人間が憲法制定に携わったことだ。それ以前は、古代ローマを念頭に、立法者は一人であるべきだとされていたが、アメリカでは植民地を構成する諸邦の代表者が集い、憲法制定会議に参加した。書は、マディ

    「アメリカ革命」 自由と平等の建国イメージを解体 朝日新聞書評から|好書好日
    hharunaga
    hharunaga 2024/09/14
    「本書はアメリカの建国に関する伝統的な見方を解体した。それと同時に本書が解体したものが、もう一つある。それは、日本が目指すべきモデルとしてのアメリカ像だ」。評:前田健太郎。著:上村剛。中公新書。
  • 書評『ダーク・マターズ』シモーヌ・ブラウン著 監視と人種差別の深い関係 - 日本経済新聞

    監視と言えば、ベンサムが提示したパノプティコンに注目が集まることが多い。だがベンサムは、パノプティコンを構想する旅の途上で乗り込んだボートのハッチの下に、18人の黒人奴隷がいたと手紙で記している。この事実がしばしば見落とされていることは、監視の研究から黒人の存在が欠落しがちであることを象徴的に示しているのではないか。奴隷船のハッチの下からの眺めは、権力を概念化するための新たな視座になりうるのでは

    書評『ダーク・マターズ』シモーヌ・ブラウン著 監視と人種差別の深い関係 - 日本経済新聞
    hharunaga
    hharunaga 2024/09/07
    「監視は人種差別と密接に関わっていると主張…。黒人性は監視研究において、宇宙研究における暗黒物質〔ダークマター〕と同様の重要性を持つのではないかと問題提起する」。評:西山隆行。明石書店。
  • 書評『コンピューター誕生の歴史に隠れた6人の女性プログラマー』キャシー・クレイマン著 成果を残した専門家の思い - 日本経済新聞

    書はアメリカのコンピューターの歴史に埋もれた、6人のプログラマーの女性たちの活躍を史実に基づき描いた作品である。第2次大戦中、男性は戦争に出てしまい、コンピューターのために雇える人材が乏しかった。そのため、数学科を卒業した女性たちが今でいうプログラマーとして雇われた。彼女たちは戦争が終わったのちも、専門的な仕事を続けて活躍をする。しかし著者が注目をするまでは、彼らの活躍はほとんど知られていなか

    書評『コンピューター誕生の歴史に隠れた6人の女性プログラマー』キャシー・クレイマン著 成果を残した専門家の思い - 日本経済新聞
    hharunaga
    hharunaga 2024/09/07
    「彼女たちは、バグを取る方法やハードの不具合を探すプログラムなど今も残るやり方を編み出した。しかしENIACをお披露目する記者会見では、…紹介されることもその後のパーティに招待されることもなかった」
  • 書評『ソヴィエト・デモクラシー』松戸清裕著 権威主義下の「自由」と「民主」 - 日本経済新聞

    ウクライナ戦争の無惨(むざん)をみると、半世紀前スターリン後のソ連にはこの暴力はなかったと懐旧的な想いが頭をもたげる。革命や戦争は「平和共存」により後景に退いた。この時ウクライナを近代化したブレジネフの時代はぬるま湯的かもしれないが社会に予測可能な安定があった。松戸が言う「非自由主義的民主主義」、権威主義のもとでも一定の自由な空間が出現した。ポピュリズムなどで壊れそうな西側民主主義との対比という

    書評『ソヴィエト・デモクラシー』松戸清裕著 権威主義下の「自由」と「民主」 - 日本経済新聞
    hharunaga
    hharunaga 2024/08/31
    “ウクライナを近代化したブレジネフの時代はぬるま湯的かもしれないが社会に予測可能な安定があった。松戸が言う「非自由主義的民主主義」、権威主義のもとでも一定の自由な空間が出現した”。評:下斗米伸夫。
  • 書評『日本統治下の台湾』平井健介著 植民地主義の役割を相対化 - 日本経済新聞

    半導体産業の「巨人」として、「台湾有事」のリスク要因として、あるいは「親日」の代表として、台湾への関心が高まっている。書は、台湾という隣人を、その来歴からより深く理解したいと望むすべての人に、読んでもらいたい植民地期台湾の通史である。こんにちの台湾を理解するためには、1895年から1945年にいたる日の植民地統治のあり方を知る必要がある。書は、この時期の日が、どのように台湾を統治しよう

    書評『日本統治下の台湾』平井健介著 植民地主義の役割を相対化 - 日本経済新聞
    hharunaga
    hharunaga 2024/08/24
    「浮かび上がるのは、日本の自己中心的な開発政策に翻弄されながらも、目まぐるしく変化する経済環境に積極的に対応し、さまざまな政策の限界や不備を補塡し、その副作用を緩和・解消してきた台湾人の姿である」
  • 「左利きの歴史」書評 長く続いた偏見 その源泉と今|好書好日

    左利きの歴史:ヨーロッパ世界における迫害と称賛 著者:ピエール=ミシェル・ベルトラン 出版社:白水社 ジャンル:歴史・地理 「左利きの歴史」 [著]ピエール=ミシェル・ベルトラン わたしは左利きではないが、昔から憧れがあった。ロック史上最高のギタリスト、ジミ・ヘンドリックスは左利きだったが、右利き用のギターをそのまま構えて、誰にも真似(まね)のできない演奏をした。美術の世界に目を向ければ、レオナルド・ダ・ヴィンチをはじめ、ハンス・ホルバイン、ヤン・ファン・エイク、ヒエロニムス・ボスといった巨匠たちが、抽象画ではカンディンスキーやクレー、加えて迷宮のような絵を描くエッシャーも左利きで、ルネサンスに戻れば、あの「天才」ミケランジェロも矯正された左利きだったらしい。 ところが、西洋社会で左手は長く嫌悪の対象とされてきた。「あらゆる名誉、あらゆる特権、あらゆる高尚さは右手に属し、あらゆる軽蔑、あら

    「左利きの歴史」書評 長く続いた偏見 その源泉と今|好書好日
    hharunaga
    hharunaga 2024/08/07
    “聖書では右手の優位は随所で喧伝されてきた。「ああ主イエスよ、どうかずっと私の右にいて、この手をけっして離さないでください」という一節など典型…。また、西洋の絵画でエバは禁断の果実を左手でもいできた”
  • Kyoto University Research Information Repository: <論説・動向>ヘヴィメタルと古典古代の共鳴

    hharunaga
    hharunaga 2024/07/27
    「ヘヴィメタルにおいて、古典古代にまつわる題材を扱っている楽曲が驚くほど多く生み出されて」いる。「キーワードは、前近代性、反近代性、そして反キリスト教であると考える」。文:庄子大亮。
  • 『パンテオン: 新たな古代ローマ宗教史』(東京大学出版会) - 著者:イェルク・リュプケ 翻訳:松村 一男,市川 裕 - 本村 凌二による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    古代地中海世界で宗教はいかに生まれたのか。人びとが神々に呼び掛け、帰属意識をもって実践する「生きられた宗教」が自立的に機能する状態=「パンテオン」が形成される過程を、民衆の宗教観… 古代地中海世界で宗教はいかに生まれたのか。人びとが神々に呼び掛け、帰属意識をもって実践する「生きられた宗教」が自立的に機能する状態=「パンテオン」が形成される過程を、民衆の宗教観、生活の様子から描きだす、古典古代史研究の新たな新地平。Jörg Rüpke, Pantheon: A New History of Roman Religion(Princeton UP, 2018)の全訳。 「生きられた宗教」というテーマパンテオンとは汎神(はんしん)の意で、とくに帝国の公認する神々のすべてが祭られたローマの神殿を指す。高さ・直径とも43メートルの円筒形堂の天井には円形の大穴が開いており、太陽神を示唆している。そこ

    『パンテオン: 新たな古代ローマ宗教史』(東京大学出版会) - 著者:イェルク・リュプケ 翻訳:松村 一男,市川 裕 - 本村 凌二による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
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    hharunaga 2024/07/25
    “パンテオンとは汎神の意…。注目されるのは「生きられた宗教」…。たとえば、帝政期の都市民にとって、街路は「家」であり、そこにあるランプの光に照らされるものは宗教的交流の道具でもあったという”
  • 文明崩壊の後に訪れたのは、「暗黒時代」か「ルネサンス」か。「古代ギリシア」エーゲ文明の興亡がナゾすぎる!(学術文庫&選書メチエ編集部)

    「古代ギリシア」と聞いて、まず思い浮かぶのはアテネのアクロポリス、古代オリンピックとギリシア悲劇、ソクラテスやプラトンの哲学などだろう。しかしそれらは、紀元前5世紀頃から前4世紀末に最盛期を迎えた「古典期ギリシア」の文化だ。歴史上の「古代ギリシア」とは、2000年以上におよぶ長い期間の文明である。その間には、いくつもの文明が興亡を繰り返したのだが、今もその実像はわからないことだらけなのだ――。 「文字使用」も絶えるほどの「文明崩壊」 4月に刊行が始まった「地中海世界の歴史〈全8巻〉」(講談社選書メチエ)の第3巻『白熱する人間たちの都市 エーゲ海とギリシアの文明』から、この海に栄えた文明のドラマを追ってみよう。 著者の村凌二氏(東京大学名誉教授)は、書冒頭でこう書き起こしている。 〈ローマ帝国の人々が「われらが海」と自負した地中海、とりわけその東部にあるエーゲ海は紺碧に彩られた人類の愛す

    文明崩壊の後に訪れたのは、「暗黒時代」か「ルネサンス」か。「古代ギリシア」エーゲ文明の興亡がナゾすぎる!(学術文庫&選書メチエ編集部)
    hharunaga
    hharunaga 2024/07/22
    ミュケナイ文明が滅んだ紀元前12世紀から数百年は文字史料に乏しく「暗黒時代」と呼ばれるが、ホメロスが叙事詩をまとめたのが紀元前8世紀頃で、「前8世紀ルネサンス」とも呼ばれるという。
  • 書評『世界目録をつくろうとした男』アレックス・ライト著 全知識を集める平和の試み - 日本経済新聞

    人類はこれまで何度かの「情報爆発」を経験してきた。15世紀の西洋における活版印刷技術の実用化や、コスト低減で新聞・雑誌を含む出版が盛んになった産業革命期、20世紀後半から現在に続くインターネットなどはその例だ。面白いことに情報や知識の量が増えると、これを集めて整理しようと考える人が現れる。巨大な蔵書、の目録、百科全書などはその工夫の結果だ。書『世界目録をつくろうとした男』の主人公ポール・オ

    書評『世界目録をつくろうとした男』アレックス・ライト著 全知識を集める平和の試み - 日本経済新聞
    hharunaga
    hharunaga 2024/07/13
    “(ポール・)オトレらは、厖大な資料を集め、目録をつくり、「世界宮殿」という博物館で公開した。…最終的には「ムンダネウム」という、それ自体が巨大な知識装置のような都市の構想にまで至る”。評:山本貴光。
  • 書評『源氏物語の舞台装置』栗本賀世子著 平安の殿舎 場の役割と人間 - 日本経済新聞

    物理学では、ある力が影響を及ぼす一定の範囲を場と呼ぶ。例えば磁場の中では、磁気力が作用する。そのように土地や建物といった場もそこにいる人間に何か影響を与えることがある。つまり、場を知ることは人を知ることに他ならないのだ。書では平安時代の後宮と呼ばれる場を取り上げ、その歴史や特徴を丁寧に解説した上で、文学作品での描かれ方を味わうという内容だ。必要であれば、定説を慎重に疑う点もスリリングで読み応え

    書評『源氏物語の舞台装置』栗本賀世子著 平安の殿舎 場の役割と人間 - 日本経済新聞
    hharunaga
    hharunaga 2024/07/13
    桐壺という建物は遠いため住んだ妃は1人だけだが「『源氏物語』ではそれを逆手にとって、桐壺更衣が天皇のもとに訪れる道中に他の妃たちから嫌がらせをされる必然性を作るために、彼女をここに住まわせた」
  • 『ヨーロッパ史 拡大と統合の力学』(岩波書店) - 著者:大月 康弘 - 本村 凌二による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS

    著者:大月 康弘出版社:岩波書店装丁:新書(272ページ)発売日:2024-01-23 ISBN-10:4004320038 ISBN-13:978-4004320036 内容紹介: 世界暦と黙示的文学が終末意識を突き動かすとき、ヨーロッパの歴史は大きく躍動した。古代末期に源流をもつ地中海=ヨーロッパの歴史を、人びとを駆動し「近代」をも産み落とした〈力〉の真相とともに探究する。「世界」を拡大し、統合した〈力〉とは何か。ナショナリズムと国民国家を超えた、汎ヨーロッパ世界展望の旅。 社会の中核を担った「イエ経済」アルプス以北のヨーロッパが歴史の舞台に登場するのはローマ人との出会い以後のこと。そこはまだ大半が蒼とした森林におおわれていたし、小さな村々があり半農半牧の生活にすぎなかった。 地中海を内海とするローマ帝国に編入された地域では、耕地が開発され、葡萄畑も北進していた。古代末期には、ガリア

    『ヨーロッパ史 拡大と統合の力学』(岩波書店) - 著者:大月 康弘 - 本村 凌二による書評 | 好きな書評家、読ませる書評。ALL REVIEWS
    hharunaga
    hharunaga 2024/07/04
    “家政としてのオイコノミアは一八世紀に至るまで旧ヨーロッパ世界の基軸をなす概念…。やがてそれと異質な「近代的思考」の発生から、自由で平等な個人の結びつきをもつ「近代市民社会」が生まれ出る”