先日、芥川賞作家・市川沙央が現代の「異世界小説」を語った記事がちょっと話題になった。 https://bunshun.jp/articles/-/73450 そのなかで、市川は『異世界食堂』などの「異世界料理もの」に「日本スゴイ」の欲望を見て取っている。 いずことも知れない異世界の人間たちが、現代日本の料理に舌鼓を打ち、興奮し、絶賛する様子を描くこの手の作品は、その実、テレビなどで発信されているナショナリスティックな「日本スゴイ」番組と何ら変わらないということだろう。 一理ある。というか、じつは料理ものを含む現代文化礼賛的なウェブ小説に「日本スゴイ」的なるものを見る視点は、何年も前から存在したのだ。 話は変わりますが、異世界に近現代のテクノロジーを持ちこんで主人公が活躍するエンタメって、どこか「日本スゴイ」に似てませんか。 インターネットでは、テレビでよく見かける「日本のモノ・テクノロジー