最近,天川晃先生のこれまでの論文をまとめて読んでみたり,牧原先生の時評を読んだりして,強く刺激を受けたのだが,ここのところの特に政治学・行政学の研究者が考えるべき問題として,移行の問題というのが重要なのではないかという気がしてきた。まあそんなの当然だ,と言われるとそれまでなのだけれども,これまで明示的に「移行」が論じられてきたのっていうのは,僕はあんまり詳しくないが,マクロの体制変動論,みたいなやつが多かったのではないかと思う。特に経済学の分野では,少し前に共産圏の市場経済への移行を議論するということで,RolandのTransition and Economicsとか,大学院生のとき周りが結構みんな読んでいたような気がするし,最近ではこの20年間のTransition Economicsのレビューのような書籍も出版されているらしい。 Transition and Economics: P