近年、イノベーションが必要だと言われつつも、産業界、教育界、行政組織においても、突破口が見つからないと感じている人は多いのではないかと思います。国が成長しながら、社会課題も解決するためには、どのような人材と仕組みが必要でしょうか。 幸福大国として知られるデンマークは、高福祉で人々の生活に安心と安定をもたらすだけでなく、イノベーションが起こりやすい労働環境を作り、社会課題を解決しています。背景にはデンマークの法律で定められた週37時間の労働時間で、生産的かつ創造的な働き方を可能にする合意形成のプロセスと、個人の可能性を最大化するクリエイティブ教育の存在があります。 デンマークの第二の都市、オーフスに位置するビジネスデザインスクール、KAOSPILOT(カオスパイロット)は、不確実で混沌としたカオスな状況でも、パイロットのようにナビゲートできる人材を育成しています。1991年に設立されたのは、
東京大学 東京大学アイスクールの活動では、インドの家庭を訪問してインタビューした(写真:東京大学i.School提供)この記事の写真をすべて見る これから企業や社会で求められるのは、新しいものを生み出す「デザイン力」のある人材。東大ではそうしたニーズに応えたワークショップが行われており、学生からの人気も高いという。 「移民が増える」「ロボット社会」「大地震が起こる」…。東京大学の教育プログラム「i.school (アイスクール)」のワークショップ(WS)で、小グループに分かれた学生が議論をしていた。「未来はどんな社会になっているのか、シナリオを想定。そこでは何が深刻な問題か、それをソーシャルビジネスで解決する」という課題だ。 アイスクールは、こうしたWSなどを通じて、困難な状況でも創造的な課題を設定して、解決するアイデアをデザインできる人材の育成をめざし、2009年にスタートした。インド工
開設から8年。Dスクールは目覚ましい成果を残している(Jason Henry/The New York Times) 世のため人のため アクシャイ・コタリが「Dスクール(d.school)」――正式にはスタンフォード大学ハッソ・プラットナー・デザイン研究所――で初めて与えられた課題は、「ラーメンの食べ方の見直し」だった。彼がDスクールで最後に与えられた課題は、ニュースアプリの開発につながり、完成品は交流サイトのリンクトインに9000万ドルで売れた。 この2つの企画は最終的には著しく異なるプロダクトを生んだが、初めの一歩には共通点があった。両方とも、「どうしたら人々が暮らしやすい世の中にできるか」を至上命題としている点だ。それがDスクールの教えであり、受講生はそのためにいろんな産業の境界線を見直すことを促される。 Dスクールが主眼とするのは、学生の「共感力」を伸ばすことだとデービッド・ケリー
2012年11月にイノベーションを生み出す場のつくり方、スタンフォード大学d.schoolの研究・実践書「make space」を出版したが、場とともにイノベーションの生み出し方のメソッドを知り、実践したいとの要望が多く寄せられ、同じくスタンフォード大学 d.schoolのイノベーション教育の中核である「デザイン思考」を実践するガイドを株式会社イトーキ オフィス総合研究所と一般社団法人デザイン思考研究所にて作成しました。 目次 はじめに デザイン思考の概要 第1章 理解 ステップ1:チームビルディング ステップ2:課題設定 ステップ3:知識の把握 ステップ4:観察対象の設定 第2章 共感 ステップ1:観察 ステップ2:インタビュー 第3章 問題定義 ステップ1:情報整理 ステップ2:ストーリー抽出 ステップ3:問題定義 第4章 創造 ステップ1:テーマ設定 ステップ2:アイデア創造 ステッ
前編では、創造的なアイデアを意識的に生み出すための手法「デザインシンキング」について、同手法の活用支援コンサルティングを手掛ける富田欣和氏に聞いた。後編では、欧米がデザインシンキングをどう活用しているのか、それに対して日本の企業はどう導入すべきかについて、引き続き同氏に尋ねた。(聞き手は高野 敦=日経ものづくり) ――欧米の大学や企業は昔の日本を研究した上でデザインシンキングに取り組んでいるということですが、それは大学が研究し、企業が実践するというような関係なのでしょうか。 富田欣和(とみた・よしかず)氏 慶応義塾大学大学院非常勤講師。同大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科でデザイン・プロジェクトや起業デザイン論、イノベーティブ・ワークショップ・デザイン論などを担当。イノベーティブ・デザイン合同会社代表としてイノベーティブ思考によるソリューション開発支援を手掛けるなど、数社
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