2023年6月19日 黒住卓司*1 杉岡優*2 伊達大樹*3 中澤崇*4 全文 [PDF 1,427KB] 要旨 本稿では、わが国におけるフルタイム労働者の賃金上昇率の変動要因について、『賃金構造基本統計調査』等のミクロデータを用いて労働者間の賃金構造の異質性を勘案して分析する。具体的には、まず、労働者と所属企業の様々な属性をもとに推定した有限混合モデルを用いて、フルタイム労働者を賃金構造の異なる2つのクラスに区分する。これら2つのクラスは、先行研究で指摘されてきた、長期雇用慣行のもと企業内で労働配置が行われ年功序列型の給与体系を持つ「内部労働市場」と、主に、企業間をまたいで雇用が移動し、市場の需給によって賃金が決定される「外部労働市場」に相当することが確認された。次に、各フルタイム労働者の賃金上昇率への経済要因からの影響を検証する。フルタイム労働者の内部労働市場では、近年は業種・企業規模
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