本稿では,特に研究支援の分野において,大学経営人材が担うことが期待されている業務と,そのキャリア・育成について考察した。大学経営人材が担う研究支援業務の範囲は,URAの中核業務以外にもわたり,より幅広くなっている。そのような業務を遂行するうえでは,「多様な専門性が必要となる業務を遂行する能力」「研究そのものや,研究に関連する諸活動の理解」が必要となる。そして,そのような能力を身につけるためのキャリア・育成について,事務職員出身者と教育職員出身者という出自の異なる2つのルートに分けて考察し,それぞれがキャリア内で身につけうる能力と,各種教育プログラムで補うべき能力について論じた。