本稿では、新型コロナウイルスに関連して経済産業研究所が実施する全5回のインターネット調査の第4回目(2021年7月20~27日に実施)の質問項目を利用して、40~65歳未満の5,995名を対象として、社会経済的地位に関連する変数(就業形態、世帯収入、学歴、預貯金額)を中心とした諸変数が調査時期までのワクチン接種の有無と関係しているか、今後のワクチン接種意思(ワクチン接種へのためらい)と関係しているかを検証した。多変量ロジスティック回帰分析の結果、正規職員と比べた場合の自営業・非正規の就業者・無職等、世帯収入が高い人々に比べた場合の低い人々、4大卒以上と比べた場合の中高卒は、ワクチンをまだ接種していなかったり今後の接種をためらったりする傾向が強いことが示された。また、夫婦の二人暮らしよりも、一人暮らし、子供と同居、親と同居している人々がワクチン接種に消極的な傾向が見られた。本稿の分析を踏まえ