46 47 IR (Institutional Research) については、 本誌189号 (2014 年) において 「戦略的意思決定を支えるIR」 の特集が組ま れたほか、 本連載でも、 評価や内部質保証のあり方を論じ るなかでこの問題を取り上げた。 IRには広く合意形成された共通の定義といえるものが なく、 多義的な概念と説明されることが少なくないが、 本稿 では、 「意思決定、 改善活動、 学内外の関係者への報告 ・ 説明 などのためにデータを収集 ・ 分析する機能または活動を意 味し、 教育 ・ 研究等に関するデータの収集 ・ 分析を中心とし た教学IRと、 経営に関するデータの収集 ・ 分析を目的とし た経営IRの2つを区別して論じられることもある」 との認 識に基づき、 その課題と在り方について論じたい。 IRの萌芽は1960年代のアメリカであり、 大学を取り巻 く環境の