今回の犯罪を犯罪者の社会的背景と結び付けるのは誤りである 川崎市で51歳の男性が通学中の児童と付き添い者を刃物で襲い、児童1名と保護者1名の計2名を殺人、児童17名保護者1名計18名に傷害を与えた後自害した事件について、テレビの報道関係で「死にたいなら一人で死ぬべき」という趣旨の発言が続けて起こった。それに対して、社会福祉問題評論家の藤田孝典氏が「『死にたいなら一人で死ぬべき』という発言は控えるべき」と主張し、このような事件の背景にある人々の社会的孤立問題を重視すべきであり、「社会はあなたの命を軽視していないし、死んでほしいと思っている人間など1人もいない、という強いメッセージを発していくべき時だ」と書いたことに対し賛否両論がネットで起こっている。 筆者は、藤田氏への批判者の主な趣旨(被害者とその家族の気持重視)とは異なり、実証的観点からみると、藤田氏の発言は軽率であったように思う。まず日
![コラム「犯罪と社会の安全について―川崎市の殺傷事件に関するウェブ論争から考えたこと」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1ca890deb7ff9694dffcb34803feac91d6dacb2d/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.rieti.go.jp%2Fusers%2Fyamaguchi-kazuo%2Fphoto_fb.jpg)