暦の上では夏が終わる頃、1冊の恵贈書を拝受しました。三好信浩著『教育観の転換-よき仕事人を育てる』(風間書房、2023年刊)です。著者は広島大学教授や比治山大学学長を務められた教育史研究の泰斗です。長年にわたる教育学研究の総決算として、著者の思いの丈が記された本書において、教育の目的はさまざまに捉えることが可能ながら、究極的にはすべからく「よき仕事人」の育成を目指すべしと説いておられます。 私は何年か前まで本学で担当していた教育原理の授業で、学期初めの頃の内容として「人間とは何か」という問いを立て教育の重要性を論じたことがありました。すなわち、人間が動物の一種であり、直立で二足歩行すること(Homo erectus)は自明として、人間の特定の面に着目して捉える他の分類をそのラテン語表記と共に挙げていました。「英知人Homo sapiens」「工作人Homo faber」「言語人Homo l
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く