写真家のマット・エメットは、ヨーロッパ中を旅しながら、見捨てられ誰にもかえりみられることのない場所に不気味な美を見出そうとしている。これまでエメットは、廃ホテルから発電所まであらゆるものを撮ってきたが、未知の場所に入り込むときは、必ずまずその歴史について調べるという。自分が撮影する場所に秘められた歴史をも写し出すためだ。 このようなすばらしい場所にひとり、あるいは少人数でいることがとても楽しいとエメットは語る。見捨てられた廃墟に漂う雰囲気は、彼にとってアンコールワットやマチュピチュの世界に匹敵するという。