ブラジルのルセフ大統領は27日、来月2日から予定されていた日本への初の公式訪問を急きょ取りやめた。今年の財政赤字を巡り、議会での緊急対応が避けられなくなったため。ルセフ氏の訪日中止は2013年に続き2度目で、今後の予定は「未定」という。 ブラジル大統領府が27日、朝日新聞の取材に明らかにした。ルセフ氏は当初、今月30日からパリで開かれる国連気候変動会議(COP21)に出席後、ベトナム訪問を経て、来月2日からの訪日を予定。3、4日には、安倍晋三首相との首脳会談や天皇陛下との会見が行われるはずだった。 大統領府などによると、黒字目標だった今年の国家予算を赤字に下方修正する必要があり、連邦議会での対応が急きょ必要になった。ルセフ氏は13年6月にも、サッカー・ワールドカップ開催に抗議するデモが国内で拡大し、直前に訪日を取りやめた経緯がある。(ブラジリア=田村剛)