普段使いできる着物として知られている紬(つむぎ)。世界で最も緻密な織物とも言われ、最近ではおしゃれ着としても親しまれています。日本三大紬に挙げられるのが、茨城の結城紬、長野の上田紬、そして今回ピックアップする奄美大島の大島紬。奄美大島は紬発祥の地であり、東大寺や正倉院の献物帳には「南島から褐色の紬が献上された」との記録が残されています。 しかし、大島紬が置かれている現状は穏やかではありません。最盛期の1973年は28万反を生産しましたが、2016年はわずか4700反。近年の着物離れに伴い、生産量が年々大幅に下落しているのです。約1300年の歴史を持つ大島紬を次世代に残すべく、奄美大島で定期診療を行っている吉岡秀人先生のもと、復興プロジェクトが発足。私もその一員として参加することになり、年明けに視察を行いました。 一反が織り上がるまで、半年から1年 大島紬の製造工程は、伝統工芸そのもの。リレ
![1300年の伝統「大島紬」が迎えている危機](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/c857de24f53a1781310eb2fed8930354936ef1b6/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ftk.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F7%2F8%2F1200w%2Fimg_78295e9efc055b96e95940d788365cee695937.jpg)