漆芸中島の「江戸八角箸」とはいかなる逸品か いま、私カゲゾウの目の前には一膳の箸がある。漆芸中島というお店で販売されている「江戸八角箸」という、かなり特別な箸である。なにがそれほど特別なのかというと……。 まずこのお店で売られている箸の素材は紫檀(シタン)。黒檀(コクタン)といった木材のなかでも最高級の銘木が使われている。これらの木材は成木になるまで長い年月がかかるが、そのかわりに緻密で内部に水分が染み込みにくく耐久性バツグン。箸の素材としてはこれ以上のものはないのである。 ▲こちらが漆芸中島の外観。月島駅より徒歩5分、佃島住吉神社のほど近く。開店前に着いたというのもあるが、一見すると普通の民家っぽいので通り過ぎそうになった マットに黒光りする見た目は高級感があり、持ち上げると一般の箸とは違う重量感がある。「八角」と銘打っているように箸先まで八角形になっている。このためコンニャクやイカとい