息を吹き込むだけでさまざまな病気のリスクを発見できるようになれば、医療コストも大幅に減らせるはず PIOTR290/iStock. <ナノテクノロジーと人工知能を使って息に含まれる化学物質を分析し、隠れた病気を突きとめる新技術が登場> 近年、癌や脳疾患の生存率を大きく左右するカギとして重視されるのが「早期発見」。そのためには定期的な検査が欠かせないが、受ける前に食事制限を課されたり、場合によってはひどい痛みを伴うなど身体的負担が大きい上、費用もばかにならない。 もっと手軽に病気を突き止める方法があれば――そんなニーズの高まりを受け、世界でさまざまな分析装置の開発が進められている。なかでも画期的な例の1つが、息を吹き込むだけでさまざまな病のリスクを診断できる新技術だ。 そもそも人間が吐き出す息は主に窒素と酸素、二酸化炭素で構成される。しかし同時に、さまざまな化学物質が微量含まれており、その種