タイトルは「あらゆる情報がデジタルに分解されて流通・蓄積される」というほどの意味だ。中心はもちろんインターネットだが、技術的な説明はあまりなく、それが社会に及ぼすプラス・マイナス両方の影響を、いろいろな具体例をあげて解説している。たとえばRIAAが5年間に26000人を著作権侵害で訴え、10億ドル以上の賠償金を取ったという話などをみると、JASRACなんてまだかわいいほうだ。 もう一つの重要な話題はプライバシーだが、「プライバシーはすでに失われている」と私の昔のコラムみたいなタイトルがついている。グーグルで私の名前を検索したら130万件も出てくる時代に、住基ネットとかストリートビューに騒ぐのはアナクロニズムである。本書も引用している"Tranparent Society"のいうように、本来の意味でのプライバシーというのは個人の隠している秘密だから、その侵害を防ぐには、むしろ誰がどんな情報