省エネルギーの実現に向けて現在,「エネルギーの情報化」というコンセプトが登場している。家庭やオフィス,工場などで利用するエネルギーを,よりきめ細かく管理するために,情報通信技術と密接に組み合わせるというものだ。なかでも,京都大学 大学院情報学研究科 教授の松山隆司氏の研究グループの取り組みが,先端的な活動として注目を集めている。松山氏に,エネルギーの情報化というコンセプトについて話を聞いた。(聞き手は蓬田 宏樹=日経エレクトロニクス)。 ――松山さんは「エネルギーの情報化」というコンセプトを掲げておられます。どのような発想なのでしょうか。 松山氏 最近皆,『スマートグリッド』と言っている。特に米国の企業が熱心にアピールしている。そうしたものと,僕らがやっていることは,コンセプトがちょっと違うんです。 生活者側からのアプローチ 松山氏 直感的に言うとね,米国の『スマートグリッド』というのは,