検察の不適切な捜査が、また明らかになった。物事をうまく説明できない知的障害のある男性(29)に対し、大阪地検堺支部の検事(41)=当時=が誘導ともとれる取り調べで自白調書の内容を確認していた。取り調べの様子が録画されたDVDを検証した地検幹部は「裁判員に調書の信用性に疑問を持たれかねない内容だった」とし、異例の起訴取り消しを決めた理由を語った。 男性は、2009年12月に大阪府貝塚市内の長屋に侵入し、ライターですだれなどに火をつけたとして、翌年の1月5日に現住建造物等放火と住居侵入の疑いで貝塚署に逮捕。同月26日に起訴された。 取り調べがDVDに録画されたのは、起訴の5日前にあたる同21日の午後4時半から約30分間だった。地検堺支部の取調室には男性と取り調べ担当検事、検察事務官ら。DVDは、検事がそれまでに作成した自白調書を読み上げる場面から始まる。 「あたたかいドリアやグラタンなど
前回まで、新聞社をはじめとする記者クラブ系報道と検察の関係について書いた。その延長線として、元検察官の三井環さんに話を聞いた時のことを書く。 三井さんはずっと会ってみたい人の1人だった。 2002年4月、大阪高検の公安部長だった三井さんは、検察の「裏金」(調査活動費の不正流用)をテレビ番組で告発しようとして、何とインタビュー収録当日の朝に逮捕されてしまった。 三井さんをそのあと待っていたのは「犯罪者」としての過酷な人生だった。 最高裁まで争ったあげくに懲役1年8カ月の実刑判決を受けた。2008年10月に刑務所に放り込まれ、仮釈放も認められず(全体の2%しかいない)、満期を服役してやっと出てきたのが今年の1月だ。 三井さんにどうしても聞きたかったこと 出所以来、三井さんに1対1で話を聞こうと機会を待っていた。出所直後は新聞や雑誌のインタビューで多忙を極めておられるだろうからと、時期を待った。
検事による供述調書の作成を巡り、元検察最高幹部の一人が99年、北島敬介検事総長(故人)あてに「一部の調書は『検事の作文』といわれても仕方がない」と懸念する私信を送っていたことが分かった。これを受け最高検は翌年、調書作成の適正化を全国に通知したが、郵便不正事件では調書の任意性が否定され、厚生労働省元局長の無罪が確定。同事件と一連の証拠改ざん・隠蔽(いんぺい)事件で最高検は近く検証結果を公表するが、10年前の警鐘は生かされなかった。 私信を書いたのは、東京地検検事正などを経て、総長、東京高検検事長に次ぐ検察ナンバー3ポストの大阪高検検事長を最後に退官し、当時は中央更生保護審査会委員長だった増井清彦氏(77)。 前年の98年、水戸地検は水戸市の建設設備工事会社と同社社長を脱税で摘発し起訴したが、公判で弁護側から「取り調べ検事が異なるのに、参考人や被告の供述調書に全く同じ文章が多数あり、あらかじめ
取り調べの際に相手を脅す暴言があったとして、大阪地検特捜部が、大阪府警東署刑事課の警部補(34)を脅迫罪で立件する方針を固めたことが13日、検察関係者らへの取材でわかった。 取り調べ時の捜査員の暴言が立件されるのは極めて異例。大阪府内在住の会社員の男性(35)が今年10月、警部補と同僚の巡査部長(32)を特別公務員暴行陵虐などの容疑で特捜部に告訴していた。 男性の弁護士らによると、遺失物横領容疑を持たれた男性は9月3日、警部補らから東署へ任意同行を求められた。男性は持ち込んだICレコーダーで、取り調べ中のやり取りを約3時間半にわたって録音。録音内容によると、警部補らは、「殴るぞお前」「お前の人生むちゃくちゃにしたる」などと発言した。
福岡市発注の公共工事を巡り、下請け業者らが暴力団幹部と共謀して孫請け業者から車を脅し取ったとする事件で、恐喝罪に問われた同市東区、無職、仲貢(なか・みつぐ)被告(51)の公判が25日、福岡地裁(吉崎佳弥裁判官)であった。 当時自白調書を作成した女性検事(32)が証人出廷し、調書への署名を断った仲被告に「ぶち切れますよ」と言ったことを認めた。仲被告は最終的に自白調書に署名したが、公判で否認に転じた。弁護側は「暴言や誘導的な調べで調書の任意性が疑われる」と主張。地裁は調書の採否を見送っており、証拠として認めるかどうか、地裁の判断が注目される。 また、女性検事は仲被告の取り調べ時に作成したメモを「個人的なメモなので破棄した」と述べた。取り調べのメモ保管について最高検は08年10月、適正管理を求める通知を出している。 検事の証言によると、仲被告は取り調べに対し、恐喝事件の被害者とされる男性にも問題
大阪地検特捜部の証拠改竄(かいざん)・犯人隠避事件を受けた「検察の在り方検討会議」が動き出した。 千葉景子前法相が座長を務める検討会は、来春をめどに改革案の作成に向けて、特捜部の存廃や取り調べの可視化について議論を進める。地に落ちた信頼を回復するには徹底的な改革の断行が必要だが、だからといって検察を弱体化させてはならない。 とりわけ巨悪の摘発や抑止の役目を担う特捜部に対する国民の期待は依然大きい。取り調べの可視化については冤罪(えんざい)の温床にメスを入れる必要があるとされる一方、捜査力の低下も懸念される。その範囲については、均衡ある議論を十分に尽くしてほしい。 そもそも検察改革の担当閣僚に問題を指摘せざるを得ない。国会軽視発言で資質が問われた柳田稔法相は「検察改革を何としても成し遂げたい」と留任意欲を強調したが、柳田氏の「法相はいい。2つ覚えておけばいいんですから」との発言は司法そのもの
地検特捜部は、権力犯罪を暴く「最強の捜査機関」と言われてきた。しかし、大阪地検特捜部の証拠品改ざん事件は、看板とはかけ離れたお粗末な捜査現場の実態をさらけ出した。検事の暴走を招いた最大の要因は、強大な権限を持ち、なおかつ批判にさらされることがない「特権意識」だったと思う。同時に、検察と密接に接触しながらチェックが不十分だったメディアの姿勢も、ゆがんだ体質を助長したと自戒している。 ◇チェック不十分、メディアにも責任 6月15日、大阪高検の中尾巧・前検事長が退官のあいさつに毎日新聞大阪本社を訪れた。そのころ、大阪地裁では厚生労働省元局長、村木厚子さん(54)を郵便不正事件の被告とする公判が進行中で、検察が証拠請求した関係者の重要な供述調書が採用されず、検察は窮地に追い込まれていた。毎日新聞を含む各紙は「無罪の公算大」との論調で記事を掲載していた。 公判で検事の強引な取り調べや、ずさんな裏付け
2010年10月14日09:43 カテゴリ本法/政治 アメリカ人のみた日本の検察制度 大阪地検の事件を契機に、特捜部廃止論が再燃している。もちろん証拠の改竄は言語道断だが、それと制度論は別に考えるべきだ。「検察が捜査機関をもっているのはおかしい」という話は昔からあるが、問題はそれほど単純ではない。本書はアメリカの研究者が、日本の検察制度をアメリカとの比較で論じたもので、制度設計を冷静に考える材料となろう。 以前の記事でも紹介したように、日本の有罪率が99.9%というのは誤解で、これは検察の段階で起訴猶予にするケースが多いためだ。このように検察の裁量権が大きく、捜査権をもっているのが日本の特徴である。アメリカでは検察官が被疑者の取り調べを行なうことはないが、日本の検察官は勤務時間の60%を捜査に費やしているという。 つまり捜査機能をもっているのは特捜部だけではなく、いわば日本中の検察官の半分
ランナー膝またはランナーズニーと呼ばれるものは、長時間に及ぶマラソン等非常に長い距離を無理に走行することで、膝の関節に過度の力が結果的にかかってしまうことが誘因となって出てくる頑固な膝の痛みです。負荷のかからない姿勢で休養していても、耐えられない、猛烈な痛みやしびれが三日以上たっても治まる様子がなければ、医療機関において坐骨神経痛の診察及び症状に対応した治療を受けることが大切で、整体院などで整体や鍼治療を受けることは危険な行為と言っても過言ではありません。日常生活に支障をきたすほどの腰痛が現れても、原則としてレントゲン撮影をして、痛みに効く薬を出してもらい、安静の保持を指示されるというのみで、様々な方法にチャレンジするような治療が施されることは見受けられませんでした。外反母趾の一般的な治療法である筋肉を動かして行う運動療法には、最初からその関節を動かす筋肉を使って関節を動かせる範囲内で自分
大阪地検特捜部の押収資料改竄(かいざん)・犯人隠避事件で、前特捜部長の大坪弘道容疑者(57)=犯人隠避容疑で逮捕=が接見した弁護人に、「(逮捕前の事情聴取で)自分の言い分が通ったと思っていた」と話した上で、「逮捕されるとは思わなかった」と打ち明けたことが4日、分かった。 大阪拘置所で3日接見した弁護人によると、大坪容疑者は、主任検事の前田恒彦容疑者(43)=証拠隠滅容疑で逮捕=の改竄について、前副部長の佐賀元明容疑者(49)=犯人隠避容疑で逮捕=から報告を受け、その後、「前田からは過失だったと聞いていたので、部下を信じた」と説明。「最後まで争う」と話したという。 大坪、佐賀両容疑者はこれまでの最高検の調べに「(前田容疑者から)改竄が故意だったとは聞いていない」と容疑を否認している。 また、大坪容疑者は、取り調べの記録を書き留める「被疑者ノート」を弁護人から差し入れられると、「こんなもんなん
【検事逮捕】逮捕覚悟の前田容疑者「自分はもう終わり」 佐賀容疑者「早まるな、任せろ」 (1/2ページ) 大阪地検特捜部の押収資料改(かい)竄(ざん)・犯人隠避事件で、主任検事の前田恒彦容疑者が1月に前副部長の佐賀元明容疑者(49)に改竄を打ち明けた際、「自分はもう終わりです」と訴え、佐賀容疑者が「早まるな」となだめていたことが3日、検察関係者への取材で分かった。前田容疑者はこのときの心情について「辞職や逮捕を覚悟していた」と供述しているという。 最高検は、佐賀容疑者とこの報告を受けた前部長の大坪弘道容疑者が当初から前田容疑者の「犯人性」を強く認識していたとみている。 検察関係者によると、東京に出張中だった前田容疑者は1月30日、佐賀容疑者に電話で「改竄が故意だった」と説明。「自分はもう終わりです」と漏らした。 これに対し、佐賀容疑者は涙を流しながら「早まるな。すべて任せろ」となだめ、「フロ
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