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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (66)

  • 10億超の鳴き声を分析、ネコ語を翻訳するAIアプリの実力は

    ネコがニャーと鳴くのは人に対してだけだが、何を言わんとしているのかを理解するのは難しい。(PHOTOGRAPH BY MARTIN POOLE, DIGITALVISION / GETTY IMAGES) 「ネコにはボキャブラリーがあります。そして、注意を払っていれば、飼いネコをより理解できるようになります」と言うのは、飼いネコのニーズを理解する「最高のツールの提供」を目指したAI人工知能)アプリ「にゃんトーク(MeowTalk Cat Translator)」の生みの親であるセルゲイ・ドレイジン氏だ。にゃんトークは無料アプリで、飼いネコの鳴き声を録音すると、「イライラしてる(I’m annoyed)」「餌ちょうだい!(Feed me!)」など、短いせりふに翻訳してくれる(編注:一部サービスは有料)。 翻訳の精度を評価できるようになっており、それによってコンピューターモデルが改良されてい

    10億超の鳴き声を分析、ネコ語を翻訳するAIアプリの実力は
  • 里山の身近な鳥や蝶が急減、絶滅危惧種並みの減少率も、全国調査

    生物多様性が危機にあることを示す国内、国際2つの報告書が10月に相次いで発表された。 環境省と日自然保護協会は、里山や里地に生息する鳥や蝶(チョウ)など身近な生物の個体数が急速に減少していることを示す報告書を10月1日に発表した。長期間にわたる大規模全国調査の一環の結果で、鳥類ではスズメやオナガなどの種が、また蝶類では国蝶のオオムラサキといった以前はなじみ深かった種が、絶滅危惧種認定基準以上の減少率であることが明らかになった。 また、世界自然保護基金(WWF)は生物多様性の豊かさを示す指数が、自然環境の損失や気候変動により過去50年で73%低下したとする報告書を10月10日に発表。生態系は回復不可能な状況に近づいているなどと強い危機感を示した。 気候変動や森林破壊・環境汚染といった人為的要因によって絶滅の危機に瀕している生物は増え続けている。国連・生物多様性条約第16回締約国会議(COP

    里山の身近な鳥や蝶が急減、絶滅危惧種並みの減少率も、全国調査
  • “ヒトラーのステルス戦闘機”を復元

    第2次世界大戦時代の爆撃機「ホルテンHo229」の実物大の複製。この複製を製造したのは世界トップクラスのステルス爆撃機の専門家たちだ。 ノースロップ・グラマン社の復元プロジェクトチームは、この複製を用いて、“ヒットラーのステルス爆撃機”が第2次世界大戦時代のレーダーに対して、当にステルス性能を持っていたのか調査した。その結果、実際にレーダー回避能力を持っていることが判明した。ただし、設計者にその意図があったのか偶然なのかは、謎として残っている。 Photograph by Linda Reynolds/Flying Wing Films 忘れ去られていたナチスドイツの先進的な戦闘爆撃機が、現代のステルス爆撃機の専門家たちの手により復元された。第2次世界大戦当時、ドイツの科学力は未来的な戦闘爆撃機「ホルテンHo229」を生み出したが、実戦配備には間に合わず、量産にまでは至らなかった。 今回

    “ヒトラーのステルス戦闘機”を復元
  • 「老化」が4歳で停止、メキシコサラマンダーで驚きの発見

    「ウーパールーパー」「アホロートル」とも呼ばれるメキシコサラマンダーは、飼育下での繁殖が簡単で、老化や再生医療の分野で人気の研究対象となっている。(Photograph by Iva Dimova, iStock / Getty Images Plus) 人間にとって、老化は避けられないものだ。しかし、かわいらしい姿で人気の両生類メキシコサラマンダー(ウーパールーパー、アホロートルとも)は、どうやらその運命をある程度回避できているようだ。査読前の論文を投稿するサーバー「bioRxiv」に発表された新たな研究により、わずか4歳で彼らの「老化時計」の一種である「エピジェネティック・クロック」が止まることが明らかになった。 メキシコサラマンダーはおとなになっても巨大な赤ん坊のような外観をしている。見た目が若々しいだけではない。絶滅の危機にひんしているこの生きものは、体の衰えや病気をほとんど経験せ

    「老化」が4歳で停止、メキシコサラマンダーで驚きの発見
  • 深海の熱水噴出孔の岩をめくったら多彩な生物がいた、驚きの発見

    東太平洋海嶺の水深約2500メートル地点にあるティカ熱水噴出孔。チューブワームの塔のそばをゲンゲが泳ぐ。(PHOTOGRAPH COURTESY ROV SUBASTIAN / SCHMIDT OCEAN INSTITUTE) エビ、カニ、チューブワーム、シンカイヒバリガイなどの二枚貝、さらに、何百種ものユニークな生きものたちが見つかっている深海の熱水噴出孔。その地下にも、複雑な生態系があることを示唆する最新の研究が、10月15日付けで学術誌「Nature Communications」に発表された。これまで、熱水噴出孔周辺の地下に微生物が生息していることはわかっていたが、チューブワームや二枚貝などの大きな動物が実際に見つかったという報告は今回が初めてだ。(参考記事:「【動画】水深3800mの深海に奇妙な生物群集」) 熱水噴出孔は、2つのプレートの境界などに形成される海底の亀裂から、地熱で

    深海の熱水噴出孔の岩をめくったら多彩な生物がいた、驚きの発見
  • マダガスカルの謎の遺跡で定説覆す発見、ゾロアスター教の楽園か

    かつては難破したポルトガル船の乗組員が作ったと考えられていた、マダガスカルのテネキー遺跡に残る岩のくぼみ。新たな研究は、この遺跡がペルシャから逃れてきたゾロアスター教徒のものであることを示唆している。(Photograph Courtesy Raphael Kunz) インド洋に浮かぶマダガスカル島のテネキー遺跡は、長い間科学者たちを悩ませてきた。初期の説では、岩にうがたれたくぼみや石壁を最初に作ったのは1500年代に難破したポルトガル船に乗っていた人々とされていた。しかし、2024年9月11日付けで学術誌「Azania: Archaeological Research in Africa」に掲載された研究では、それよりも数世紀も早い時代の遺物が見つかり、ペルシャを追放されたゾロアスター教徒たちが楽園を築こうとした可能性が示唆された。 テネキー遺跡は、マダガスカル島の南西部に広がる熱帯雨林

    マダガスカルの謎の遺跡で定説覆す発見、ゾロアスター教の楽園か
  • 世界最大級の淡水魚ピラルクー、「逆転の発想」で驚きのV字回復

    ブラジルのアマゾン川流域にすむピラルクーのウロコのクローズアップ写真。自然界の中でも、特に丈夫な素材として知られている。(Photograph by Andre Dib) 巨大な淡水魚は、地球上で特に絶滅が危ぶまれている動物のひとつだ。しかし、緑豊かなアマゾンの河川で、それに反する事例が生まれている。体長3メートル、体重200キロ以上になるピラルクー(ピラルク、アラパイマとも)は、わずか10年前、乱獲によって激減し、絶滅の危機に瀕していた。しかし、地域に根ざした保護活動が功を奏し、大幅に数が増えている。 ブラジルの生態学者で、ナショナル ジオグラフィックのエクスプローラー(探求者)でもあるジョアン・カンポス・シルバ氏の研究によると、持続可能な漁に切り替えた地域では、ピラルクーの数が11年で425%も増えた。カンポス・シルバ氏は、ナショナル ジオグラフィック協会とロレックスによる「パーペチュ

    世界最大級の淡水魚ピラルクー、「逆転の発想」で驚きのV字回復
  • 科学が証明 「手書き」の絶大なメリット、「脳全体が活性化する」

    研究によれば、ペンを紙に走らせるという行為は、複数の脳領域を活性化させ、記憶力や認知機能の向上につながる。(PHOTOGRAPH BY OKSANA NAZARCHUK, GETTY IMAGES) これからやるべきことや買い物リストを最後にメモしたときのことを思い出してほしい。おそらく、ペンと紙は使っていないのではないだろうか。この10年、教室での授業から職場での会議まで、私たちの日常にあった手書きという行為はキーボードと画面に置き換えられてきた。世界を見渡すと、英語の授業で筆記体を教えなくなってしまった学校もある。しかし、ペンと紙を使って書く行為によって、デジタルツールでは再現できない認知機能への効果が得られることが、多くの研究で示されている。 「統計的に見ると、手書きと記憶の関係をテーマにした研究のほとんど(日、ノルウェー、米国などで行われたもの)は、コンピューターで入力するより自

    科学が証明 「手書き」の絶大なメリット、「脳全体が活性化する」
  • 【解説】老化は44歳と60歳で急に進むと判明、何がどう変わる?

    実際、30代後半から40代前半にかけて悩みや不安を抱える「中年の危機」や、50代後半から60代前半にかけて「壮年後期の危機」を経験する人もいることが、研究で明らかになっている。この2つの年代は、今回の研究で老化が急に進むとされた時期と一致している。 つまり、「急な老化は、私たちが生まれつきもっている生物学的な特性によるものではなく、加齢に伴う心理的な変化や生活習慣の変化が原因になっている可能性もあるのです」とシンクレア氏は言う。 急な老化は防げるのか? これらの分子的な変化の背後に何があるにせよ、「老化の根的な原因は、すでに特定されている可能性が非常に高いと思います」と、2009年にノーベル化学賞を受賞した構造生物学者のベンカトラマン・ラマクリシュナン氏は言い、老化がもたらす望ましくない影響を防ぐために何をするべきかはよくわかっていると考えている。 シェン氏は、40代や60代に近づいたら

    【解説】老化は44歳と60歳で急に進むと判明、何がどう変わる?
  • 【解説】老化は44歳と60歳で急に進むと判明、何がどう変わる?

    高齢者の病気を予防する鍵は運動にあると考え、約140キロのデッドリフトをする病理学教授のマット・ケーバーライン氏。最新の研究により、私たちの体は40代と60代の2回、分子的に大きく老化することが明らかになった。幸い、老化の影響を和らげる方法はある。(PHOTOGRAPH BY DAVID GUTTENFELDER, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 私たちはずっと、老化は一定のペースで徐々に進むものと信じていた。しかし、2024年8月14日付けで学術誌「Nature Aging」に米スタンフォード大学の科学者たちが発表した論文で、老化は40代半ばと60代前半に急激に進むことが明らかになった。 皮膚のシワやたるみ、白髪、筋肉痛や関節痛、ウイルスへの感染しやすさなどの老化の兆候は、あるとき突然現れるように見えるが、その理由は、この2つの時期に起こる分子的な変化によって説明でき

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  • 世界の恐ろしい「魔女」5選、皮を脱ぐ魔女から残忍な吸血女まで

    18世紀、フランシスコ・デ・ゴヤが魔女たちを描いた『呪文』。魔術やオカルトに対する社会の不安が当時の物語や信仰にどう影響を与えていたかが分かる一例だ。(ARTWORK FROM BRIDGEMAN IMAGES) 古代の森をさまよう黒い影。夢に現れる恐ろしい亡霊。魔女は長い間、人間の空想をかきたててきた。今はカリスマ的な存在として描かれることが多いが、かつて魔女は文化を超えて人々に恐怖と不安を与えてきた。世界の5つの魔女の物語から、彼女たちを生んだ社会が抱えていた恐怖や信念をひも解いていこう。(参考記事:「魔女狩りの恐ろしい歴史、不当な嫌疑で殺された女性たち」) 山姥(やまうば、やまんば) 山奥に暮らす恐ろしい老婆 日の山奥に暮らす山姥は弱々しい老女だ。しかし、それは最初のうちだけ。 突如、角を生やし、ヘビのような髪を振り乱す恐ろしい姿に変身すると、後頭部にあるもう1つの口で捕らえた獲物

    世界の恐ろしい「魔女」5選、皮を脱ぐ魔女から残忍な吸血女まで
  • 魚がぐるぐる回って死ぬ奇病、ついに原因を特定、米フロリダ沖

    50年生きることもあるイタヤラ(Epinephelus itajara)も、米フロリダ・キーズ諸島で奇妙な円を描いて回転しているところが目撃された。(Photograph By David Doubilet, Nat Geo Image collection) 数カ月にわたる根気強いデータ収集と検査の結果、科学者は米フロリダ沖で魚がぐるぐると回りながら死ぬ原因を突き止めた。有毒な藻類の組み合わせが原因だったのだ。 2023年11月、フロリダ・キーズ諸島の住民が、絶滅危惧種であるノコギリエイ科のスモールトゥース・ソーフィッシュ(Pristis pectinata)などの魚が円を描いて泳ぎ、その後死んでしまうことに気づき始めた。科学者は後に、ブダイの仲間やオオメジロザメ(Carcharhinus leucas)、イタヤラ(Epinephelus itajara)など、80種類以上の魚でこの現象

    魚がぐるぐる回って死ぬ奇病、ついに原因を特定、米フロリダ沖
  • ISSから2人が帰れず、「取り残された」宇宙飛行士はどうなるのか

    2024年7月11日、国際宇宙ステーション(ISS)で撮影されたNASA宇宙飛行士のチーム写真。(下から時計回りに)マシュー・ドミニク氏、ジャネット・エップス氏、スニタ・ウィリアムズ氏、マイク・バラット氏、トレイシー・ダイソン氏、バリー・ウィルモア氏。(Photograph by NASA) ボーイング社の新型宇宙船「スターライナー」の技術的な問題により、宇宙飛行士のスニタ・ウィリアムズ氏とバリー・ウィルモア氏は、予定を大幅に超えて国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在することになった。しかし、宇宙に「取り残された」宇宙飛行士は、この2人が初めてではない。また、同じようなことはこれからも起こりうる。 地政学的な理由や自然がもたらすリスクなど、様々な理由で飛行士の宇宙滞在が予定よりも長引くことはたまにある。そして、宇宙飛行士も宇宙機関も、このような事態を想定して準備をしている。 乗って帰る

    ISSから2人が帰れず、「取り残された」宇宙飛行士はどうなるのか
  • 世界の壮大なドラゴン伝説6選、最古、最大、最強の竜は?

    新約聖書の黙示録に登場する7つの頭を持った竜。19世紀のフレスコ画。(PHOTOGRAPH BY NPL - DEA PICTURE LIBRARY/W. BUSS, BRIDGEMAN IMAGES) 竜は、地球上のほぼすべての文化に存在し、昔から様々な大陸の民話、文学、芸術に登場してきた。鋭い爪に硬い鱗、尖った歯といった恐ろしい特徴をあわせ持つ竜は、人間の最も原始的な恐怖心から生まれ、現実世界で直面する危険について互いに警告するために用いられたと、研究者たちは考えている。 しかし現代になっても、竜はなぜこれほどまでに人々の想像力をかきたててやまないのだろうか。その秘密を解くカギとなりそうな6つの壮大な神話を紹介しよう。 ングウィ――世界最古の竜伝説 ヘビのような神ングウィは、様々な神話に影響を与えた。この16世紀の絵画に描かれているミズガルズの大蛇ヨルムンガンド伝説(北欧神話)もその一

    世界の壮大なドラゴン伝説6選、最古、最大、最強の竜は?
  • ホタルのオスを「女装」させるクモ、光操り別のオスを罠に、研究

    オニグモ(Araneus ventricosus)の網にかかったオスのホタル。オニグモは、ホタルが交尾相手を見つけるために使う生物発光のシグナルを操作できるのではと、研究者たちは考えている。(Photograph by Xinhua Fu) クモは、驚くほど様々な狩りのテクニックを進化させてきた。唾液を使って獲物をわなにかける種もいれば、ヘビさえも捕らえられる強力な網を張る種もいる。最新の研究では、日でもごく普通に見られるオニグモが、とりわけ巧みな戦術を使ってホタルを自分の網に誘い込んでいるという。(参考記事:「クモの驚くべき世界」) 2024年8月19日付けで学術誌「Current Biology」に発表された論文によると、このクモは、網にかかったオスのホタルが発する光を操作して、あたかも交尾相手を求めるメスが光を放っているかのように見せかけ、別のオスをおびき寄せているようだ。 クモが

    ホタルのオスを「女装」させるクモ、光操り別のオスを罠に、研究
  • 「レアメタル・シャーク」をブラジル沖で発見 高まる海洋汚染の懸念

    ブラジル沖のイタチザメの体内から、携帯電話などの電子機器に含まれる金属が検出された。(PHOTOGRAPH BY JEFF ROTMAN / NPL / MINDEN PICTURES) ブラジル南岸沖のイタチザメは、携帯電話や電気自動車などのテクノロジー機器に含まれる汚染物質を大量摂取している。こんな研究結果が2024年8月、学術誌「Environmental Pollution」に掲載された。論文の執筆者によれば、このような発見が発表されたのは今回が初めてだ。 これらの汚染物質には、私たちの世界を動かしているレアメタルが含まれている。国際的な規制当局がレアメタルの深海採掘にゴーサインを出すことを検討し、電子廃棄物の海洋への流入が増加している今、サメの体内からレアメタルが発見されたことは憂慮すべきことだ。 論文の執筆者の1人で、バハマのケープ・エルーセラ研究所でサメの研究保護プログラムを

    「レアメタル・シャーク」をブラジル沖で発見 高まる海洋汚染の懸念
  • コモドドラゴン、鉄のコーティングで歯を強化、爬虫類で初の発見

    コモドドラゴン(写真はヤギの死骸をべるオス)はインドネシアの小スンダ列島に生息する。(PHOTOGRAPH BY STEFANO UNTERTHINER, NAT GEO IMAGE COLLECTION) 世界最大のトカゲである「コモドドラゴン」(コモドオオトカゲ、Varanus komodoensis)の歯はすばらしい。長くて湾曲したギザギザの歯は、獲物の肉を切り裂くのに完璧に適応している。2024年7月24日付けで学術誌「Nature Ecology & Evolution」に掲載された研究により、この見事な歯が鉄のコーティングで強化されていることが明らかになった。 「爬虫類の歯で鉄を確認したことはこれまでありません。とても興味深いです」と、米ニューヨークのダーメン大学の古生物学者で、論文の共著者でもあるドメニック・ダモーレ氏は言う。(参考記事:「辰年に新種発見 火は吐かないが現実

    コモドドラゴン、鉄のコーティングで歯を強化、爬虫類で初の発見
  • 最古級の「シャーマン」か、1万2000年前の女性、トルコで発見

    女性の「シャーマン」が埋葬されたのは紀元前10世紀。この頃、そこから240kmほど離れたトルコ南東部に、農耕が発達する前の重要な過渡期の狩猟採集民の複合集落あるいは宗教的施設と考えられるギョベックリ・テペ(写真)が建設された。(PHOTOGRAPH BY VINCENT J. MUSI, NAT GEO IMAGE COLLECTION) およそ1万2000年前にチグリス川の上流近くで亡くなった女性は「シャーマン」だったかもしれないと示唆する研究が、7月9日付けで学術誌「L'Anthropologie」に発表された。女性が埋葬された時代は、農耕が発達する少し前の「先土器新石器時代A期(PPNA)」(紀元前1万年~紀元前8800年頃)だ。場所は現在のトルコ南西部のチェムカ・ホユック遺跡で、女性はさまざまな動物の骨とともに埋葬されていた。 「近年のチェムカ・ホユック遺跡の発見は、PPNA期、お

    最古級の「シャーマン」か、1万2000年前の女性、トルコで発見
  • 「カエルサウナ」がカエルを救う、あのツボカビ症から回復、研究

    ツボカビに感染したキンスジアメガエル(Litoria aurea)は、太陽光で暖まったブロックの中で休むと回復できることが明らかになった。(PHOTOGRAPH BY ANTHONY WADDLE) 仕組みはとても簡単だ。10個の穴を開けたレンガのブロックを直射日光が当たる場所に置くだけ。すると、暖かい場所を好むオーストラリアのキンスジアメガエル(Litoria aurea)は、蒸し風呂のようになった穴の中に飛びこみ、三角形の頭だけを出してくつろぎはじめる。カエルたちは知らないだろうが、この「カエルサウナ」が彼らの命を救えるという論文が学術誌「ネイチャー」に6月26日付けで発表された。 カエルツボカビ(Batrachochytrium dendrobatidis、Bdとも)という脅威の病原菌は、世界中で90種を超える両生類を絶滅させ、500種を減らしている。この真菌は涼しい場所を好むため、

    「カエルサウナ」がカエルを救う、あのツボカビ症から回復、研究
  • 経口避妊薬で女性の運動中のけがが減る、筋肉と腱で8割減、研究

    女性アスリートは男性に比べて前十字靱帯断裂などを起こしやすいが、経口避妊薬を服用することで、けがのリスクを下げられるかもしれない。(PHOTOGRAPH BY JODI COBB, NAT GEO IMAGE COLLECTION) この数十年でスポーツをする女性が増えたことで、女性アスリートのけがは男性アスリートとは違う場合があるという認識が広まっている。けがの種類によっては、負傷のしやすさにホルモンが関係している可能性を示す証拠が集まりつつあるからだ。 このほど、経口避妊薬を飲んでいる女性は、飲んでいない女性に比べて、下肢(脚と足)の筋肉と腱のけがをする確率が約8割も下がることを示す論文が、2024年3月に医学誌「Medicine & Science in Sports & Exercise」に発表された。 「多くの女性アスリートが何らかの避妊薬を使っています」と、けがの予防と回復の性

    経口避妊薬で女性の運動中のけがが減る、筋肉と腱で8割減、研究