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ブックマーク / www.riabou.net (40)

  • なぜ中国はそんなに空母が欲しいのか? - リアリズムと防衛を学ぶ

    「空母をつくってもおかしいことではない。昔は日も持っていた」 「中国が空母をもつ日 ―江畑謙介の戦争戦略論1」 経済発展には商船隊が、商船隊には海軍が不可欠 現代での商船保護 マラッカ・ジレンマと商船保護 避け難い2つの運動 引用文献 関連記事 「空母をつくってもおかしいことではない。昔は日も持っていた」 中国政府と人民解放軍は、空母の保有に邁進しています。もと駐日大使をつとめた中国政府の武大偉氏は、加藤紘一氏との会談で、こう述べたそうです。 「(第二次世界大戦の当時)日も8から9の空母を派遣した。当時は米国も日も多くの空母を持っていた。中国は今も空母を持っていない。一つつくってもおかしいことではない。通常の武器だ。ほかの国も持っている」と語った。「日も空母持っていた。なぜ中国ばかり」中国高官反発 2010/1/13 asahi.com 中国がいずれ空母を持つと決意したのは、19

    なぜ中国はそんなに空母が欲しいのか? - リアリズムと防衛を学ぶ
  • ブログなんか書いて何が楽しいのかって、こんなコメントを読んだとき。 - リアリズムと防衛ブログ

    これから非常に大げさなことを言います。この記事は、小声で壁にでも話してるんだと思ってください。 過去記事へのコメントが嬉しい 1年前に書いた集団的自衛権の起源についての記事が、最近また多くの人に読んで頂いているようです。時勢ですね。 その中で特に嬉しかった感想がこちら。 集団的自衛権の歴史・性質を解説した記事。 リアリズムと防衛ブログ「集団的自衛権の起源と、戦争の克服」 http://t.co/gsu41l52fo ブログの域を超えた、超わかりやすくも現実的な解説。 安保法案反対の、より詳しい根拠を各自鍛えるとGOOD! #当に止める— 納戸地蜀江錦翁狩衣 (@emagovstr) 2015, 7月 16 集団的自衛権の起源と、戦争の克服 - リアリズムと防衛ブログ http://t.co/xaV2u8YpWp 今一度、このエントリーは広く読まれるべき。安保関連法案に賛成であろうとなかろ

    ブログなんか書いて何が楽しいのかって、こんなコメントを読んだとき。 - リアリズムと防衛ブログ
  • 読んだ本「陸上自衛隊 普通科連隊の仕事」 - リアリズムと防衛を学ぶ

    自衛隊の普通科連隊がどんな風に仕事をしているかがイメージできるようになるです。新着任の連隊長が、連隊を改革していく、という筋立てを中心にしています。 「普通科」と言うと、工業科や商業科に横並んで、高校選びでもしているように思います。 自衛隊の「普通科」といえばこれは「歩兵」のこと。小銃をもって戦い、土地を占有する機能をもつ、陸上部隊の根幹です。自衛隊の中でいわゆる「兵士」のイメージにもっとも近いのは、普通科の隊員でしょう。 歩兵の領 このを読むと、普通科連隊、そしてその隊員がどんな仕事をしているのか、どんなムードなのかが何となくわかります。例えば普通科の質は、このように描写されています。 普通科部隊、歩兵部隊、インファントリー、なんと呼ばれていようとも、この職種に特に要求され、われわれみずからが磨いていかなければならないものは、兵士が一対一で決闘をするときの戦闘意思と、相手をしのぐ

    読んだ本「陸上自衛隊 普通科連隊の仕事」 - リアリズムと防衛を学ぶ
  • 平和はカネで買える。商業的平和論(Capitalist Peace )のはじまり - リアリズムと防衛を学ぶ

    ブログのタイトルに関わらず、リベラリズムの話をします。 これから2回にわたり、商業的平和論について簡単な紹介をします。商業的平和論とは、経済発展が世界を平和にするという理論です。 商業的平和論の思想的起源 貿易や商業の発展が、世界を平和にするという考えは昔からあり、多くの大学者がこれを説いてきました。 モンテスキューやアダム・スミスは、市場は戦争を嫌うと説きました。戦争になれば、交戦国の間では自由な商取引ができなくなるからです。トマス・ペインは「商業は、愛国心と国防の2つの気運を減退させる」としています。 マンチェスター派の台頭 わけても有名なのはコブデンとブライトの「マンチェスター派」。1839年に結成され、自由貿易を強力に推進した集団です。 指導者たるコブデンとブライトは、貿易の経済的メリットだけでなく、思想的な正義を訴えました。貿易こそ平和への道だというのです。 それ以前の英国は、植

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  • 官邸ドローン事件で出頭した人は、もっと拗らせる前に捕まって本当に良かった - リアリズムと防衛を学ぶ

    首相官邸屋上でドローンが発見された件で、福井県の男性が出頭しました。この男性のものと思われるブログ「ゲリラブログ参」が話題になっています。そこには犯行に至るまでの思考の変遷、準備などが書かれています。 出頭した男性が当に犯人かどうか、話題のブログもその人のものであるかはまだ分かりませんが、もしそうだとすると、この方はこの程度の事件しか起こさないうちに捕まえてもらえて当に良かったと思います。 警察へ出頭した人の動機 警察に出頭し、逮捕された容疑者は、犯行についてこう語っているそうです。 警視庁によりますと、24日夜8時すぎ、福井県小浜市にある小浜警察署に...容疑者が出頭し、「反原発を訴えるために官邸にドローンを飛ばした」などと話したということです。 また、「福島の砂を容器に入れた」と話し...官邸に対する威力業務妨害の疑いで逮捕しました。(NHK 15/4/15) 逮捕直後に容疑者の発

    官邸ドローン事件で出頭した人は、もっと拗らせる前に捕まって本当に良かった - リアリズムと防衛を学ぶ
  • 「ウクライナ危機の原因は、欧米のリベラルな妄想だ」とミアシャイマーは言う - リアリズムと防衛を学ぶ

    フォーリンアフェアーズの14年9月号で、ミアシャイマーがリベラルな国際政治観をぶった切っています。ジョン・ミアシャイマーはリアリリズム学派の国際政治学者。攻撃的リアリズム論の代表的な論者として知られる、当代きっての大学者の一人です。 彼は「欧米世界では、ウクライナ危機はすべてロシアの責任だ」という風潮に対して反駁し、アメリカとヨーロッパ諸国の責任を問うています。たいへん面白い議論ですので、その一部を紹介します。 ウクライナ危機を誘発した大きな責任は、ロシアではなくアメリカとヨーロッパの同盟諸国にある。危機の直接的な原因は、欧米が北大西洋条約機構(NATO)の東方への拡大策をとり、ウクライナロシアの軌道から切り離して欧米世界へ取り込もうとしたことにある。……彼(プーチン)が反転攻勢に出たことには何の不思議もない。「欧米はロシアの裏庭にまで歩を進め、ロシアの中核的戦略利益を脅かしている」と彼

    「ウクライナ危機の原因は、欧米のリベラルな妄想だ」とミアシャイマーは言う - リアリズムと防衛を学ぶ
  • 防災の日に読みたい「もし災害の一日前に戻れるとしたら…」という被災した人たちの声 - リアリズムと防衛を学ぶ

    防災の日です。阪神淡路大震災が起こった時、もうこれ以上の災害を一生のうちに目にすることは無いだろう、と思いました。それは間違いでした。 大震災じゃなくても、台風や土砂崩れなど、いろいろな災害がこの国にはやってくるし・・・。そのために、いま、何をしておくべきでしょうか? 考えるきっかけをくれるのが「一日前プロジェクト」です。地震、津波、豪雨などさまざまな災害に遭った方々に「もし災害の一日前に戻れるとしたら?」というテーマで小さな物語を集め、発信し、共有するという企画です 被災者視線での短い体験談なので、読みやすく、いかにも身につまされます。このブログでは代表的なものをいくつか紹介させていただきます。ご興味をもたれたら、ぜひ元サイトをご覧になってください。一部を紹介します。 従ってこの記事には、災害を想起させる内容が多数含まれます。 災害対策ゼロの自分に気付かされる 例えばこういう体験談があり

    防災の日に読みたい「もし災害の一日前に戻れるとしたら…」という被災した人たちの声 - リアリズムと防衛を学ぶ
  • 集団的自衛権の起源と、戦争の克服 - リアリズムと防衛を学ぶ

    しばらく前、「集団的自衛権」という言葉がテレビや新聞でよく見られました。そろそろ静かになってきたので、いつもの通り政治的な主張はさておいて、基と起源を抑えつつ「集団的自衛権と平和の関係」について書いてみます。 集団的自衛権に賛成の人は、日の安全のために必要なんだというし、反対の人は逆だ危険だといいます。両方とも「日は平和で安全な国であってほしい」という目的意識では共通していますね。だけど、どうやって平和と安全を確保するかという手段の点で意見の対立があるようです。 これは現代日に限らない悩みです。昔から世界中の人が平和をつくるより良い方法を考え、やってみて、失敗し、また考え続けてきました。その過程で誕生したアイデアの一つが「集団的自衛権」です。 この記事では集団的自衛権の誕生の経緯を振り返ることで、人類が平和の作り方についてどういう試行錯誤をしてきたかを解説します。これからどうすべき

    集団的自衛権の起源と、戦争の克服 - リアリズムと防衛を学ぶ
  • 「ロシアが軍事介入」のインパクト | リアリズムと防衛を学ぶ

    ロシアウクライナへの派兵を決定しました。対してウクライナ新政権は軍に厳戒態勢をとるよう命じました。国連安保理では米欧・露が互いの主張をぶつけあい、NATOは緊急の大使級会合を開きました。ウクライナ危機は、急激に深刻さを増しています。はたして戦争になるのでしょうか? 直近の動きをレビューしてみます。 ロシア上院は軍事介入を承認。ロシア系住民と、独自の国益を守る プーチン大統領はウクライナ危機での軍事介入を提起し、ロシア上院に承認されました。 ロシア政府によると、プーチン大統領は上院に対し、「ウクライナにおける異常事態でロシア国民の生命が脅かされている」として、軍の派遣を承認するよう求めた。また、クリミアのセバストポリで「国際法に完全に準拠して」駐屯しているロシア黒海艦隊の軍人らを保護しなければならないと述べた。(AFP3/21「ロシア上院、ウクライナへの軍の派遣を承認」) アメリカのオバマ

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  • ウクライナ危機がイマイチ分からん人にオススメのBBC謹製「まとめサイト」 | リアリズムと防衛を学ぶ

    ロシアが軍事介入を決定したことで、ウクライナ危機は急速に進展しています。が、なにぶん遠方のことですがから、土地勘もないし、イメージしづらいところです。いま問題の焦点は、黒海艦隊の母港があるクリミアの帰趨にありますが、「黒海? どこだそれは」「クリミア戦争…世界史でやった気もする」という感じな人が多いのではないでしょうか。 こういう国際問題が起きたとき、便利なのはBBCのサイトです。BBCは英国の国営メディアであり、国際的にもCNNかBBCかという具合で、信頼性と配信力の高いメディアです。(英国国内的には「BBCは政治的に偏向してるから駄目だ」という声もけっこうありますが) BBCの素晴らしいところは、国際問題が起こると速攻で「まとめ記事」をアップしてくれるところです。ぜんたい、国際問題というのは「いま、大変なことが起きてます!」というニュース1読んでも分かりません。「昔こんなことありまし

  • オリンピックと侵略とーウクライナ危機にみる世界の仕組み | リアリズムと防衛を学ぶ

    ソチ・オリンピックにおいて、バイアスロン女子リレーでワリ・セメレンコ選手らのチームが金メダルに輝きました。それらのに、彼女たちの国のオリンピック委員会の会長のコメントは「今は祝杯を挙げるようなときではない」でした。 彼らの国、ウクライナは動乱の渦中にあり、多くの犠牲者が出たばかりだったからです。さらには今、ウクライナという国家は分裂の危機にあります。ウクライナのアワコフ内相は「これは軍事侵攻であり、占領だ。あらゆる国際条約に違反し、主権国家に対する直接的な挑発だ」とロシアを非難しました。 (引用元:ロイター) そこに見えるのは、21世紀になっても変わることのない、国益と暴力の世界です。 古典的な勢力圏を争い グローバル化が進み、物流やインターネットで世界の市民がつながった今日では、国境や国家の意味が昔にくらべて希薄になっています。国際社会は国家中心から、多国籍企業やNPO、さらには影響力

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  • 中国軍が行った「尖閣を含む沖縄県南部に侵攻する訓練」の内容 | リアリズムと防衛を学ぶ

    アメリカ海軍の大佐が、「中国軍が尖閣諸島を奪取する訓練をしている」と語ったそうです。 ジェームズ・ファネル大佐は、中国軍は自衛隊との短期集中戦に勝利した上で、尖閣諸島を奪取する作戦能力の獲得が新たな任務に加わったとする分析を述べた。2月13日に米カリフォルニア州で開かれたシンポジウムで述べた。 一方、米太平洋軍は発言について「公開情報を元にした個人的分析だ。過去のシンポジウムで彼が述べてきた主張と変わらない」とし、米軍の公式見解ではないとしている。(琉球新報 2014/2/21)(読売新聞2014/2/20)』 とはいえ、どこの国にも物騒なことを言って巷間を騒がす困った軍人はいるものだし…と思いつつ、英語で検索してみると、色々なことがわかりました。必ずしも誇大な発言ともいえないし、攻撃目標は尖閣諸島だけではありませんでした。 ファネル大佐の発言の中身 今回の発言について、アジア太平洋地域の

    中国軍が行った「尖閣を含む沖縄県南部に侵攻する訓練」の内容 | リアリズムと防衛を学ぶ
  • 「災害の一日前に戻れるとしたら、何をしますか?」と被災者に聞いてみたページがすごい - リアリズムと防衛を学ぶ

    「一日前プロジェクト」をご存知でしょうか。たいへんいい企画だと思うので、ご紹介させて頂きます。「一日前プロジェクト」は地震、津波、豪雨などさまざまな災害に遭った方々に「もし災害の一日前に戻れるとしたら?」と聞いて、小さな物語を集め、発信し、共有するプロジェクトだそうです。プロジェクトが発信している物語、イラストは利用自由。企業の社内報や地域の広報にコラムとして掲載するなど、幅広く活用してOK、むしろドンドン語り継いで行こう、といういうものです。 被災者視線での短い体験談なので、読みやすく、いかにも身につまされます。このブログでは代表的なものをいくつか紹介させていただきます。ご興味をもたれたら、ぜひ元サイトをご覧になってください。 震災の前に知っておけば良かったと、今でも悔やんでいること 分かっていたけど、やらなくて後悔したこと ちょっとした備えで助かった 危機管理のリーダーシップ 被災時の

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  • 「艦これ」から始まる海軍の歴史 - リアリズムと防衛を学ぶ

    ブラウザゲーム「艦隊これくしょん」が大ヒットしています。 「艦これ」から艦艇に興味をもった方も多いかと思いますので、「艦これ」の時代から現代まで、水上艦艇の戦いがどのように変化してみたかを追ってみましょう。 「艦これ」の時代は来なかった 航空機がすべてを変えた 空母の時代の始まり 「核兵器の時代」 キューバ危機と艦隊の復活 エイラート事件とフォークランド紛争がミサイルの威力を見せ付けた 空母 VS 対艦ミサイル飽和攻撃 イージス艦の登場 CSGは砕けない 再び、航空機がすべてを変える時代? 「艦これ」の時代は来なかった 「艦これ」は第二次大戦期の軍艦をモチーフにしています。ゲームバランスは「こうなるだろう」と構想されながら、史実では「来なかった時代」をモデルにしています。 戦争で使われた艦の多くは、 大戦が始まる前にすでに建造されました。太平洋戦争をまだ知らない設計者や軍人が、「次の戦争

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  • 読んだ本:「考える生き方 空しさを希望に変えるために」finalvent著 - リアリズムと防衛を学ぶ

    考える生き方 posted with ヨメレバ finalvent ダイヤモンド社 2013-02-21 図書館 極東ブログのfinalvent氏のエッセイ。 国際、国内の政治問題などが多い氏のブログとは異なり、このは氏のこれまでの人生を振り返る内容です。 人生の各場面でどんなことを考えてこられたのか、出来事や困難をどういう風に受け止めてこられたのかが綴られています。 55歳以下のいろいろな年代の方、人生の各場面をどう受け止めるか、その参考になるです。 まさしく「考える生き方」 読んでいて思うのは、まさにタイトルのとおり、実によく考える生き方だなぁということ。 何か新規なことがあれば、そのつど考える。それも、きちんと考える。 人間だれでも、考えながら生きています。特に不幸に遭遇したときには。 「なんで私がこんな目に?」 「これからどうしたらいいんだろう?」とか。 finalventさん

    読んだ本:「考える生き方 空しさを希望に変えるために」finalvent著 - リアリズムと防衛を学ぶ
  • 島をめぐる争い '82 - リアリズムと防衛を学ぶ

    両国が領有権を争っている島へ、一方の市民が不法に上陸しました。 これは、30年前のおはなし。 1982年、南太西洋の島々の領有権をめぐり、イギリスとアルゼンチンが戦争をしました。フォークランド紛争と呼ばれています。 始まりは民間市民の上陸でした。その背景はアルゼンチンの経済が不調で、政権が危うかったこと。そこで、歴史的な経緯から係争中だったフォークランド諸島がクローズアップされました。国民の目をそらすためです。 アルゼンチンの民衆は、政府がやらないなら自分たちが島を取り返すんだと盛り上がります。義勇軍のような気分で、島に不法上陸したり、運動が過熱していきました。 それが政府の選択肢をせばめ、やがて戦争になりました。 その島には名前が2つ 嵐の前の不景気 断たれた退路 あちら側、こちら側 正しさは手段に過ぎない 賽は投げられた 関連記事 その島には名前が2つ その島々には2つの名前があります

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  • 自衛隊の対中国シフトと、その事情 - リアリズムと防衛を学ぶ

    新しい「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」が発表されました。これら2つは防衛省と自衛隊が「こんな感じでいきまっせ!」という防衛政策の設計図です。 大筋では、防衛費の総額を抑えつつ、中国対策へのシフトを鮮明にしています。 そのために具体的には南西諸島への部隊配備と、周辺海空域への警戒・監視体制の強化を打ち出しています。 この背景には中国の際限ない軍拡とその戦略があり、それに対抗するアメリカ軍の新構想が透けて見えます。 中国の軍事力の増大 新しい防衛大綱では中国についてこう論じています。 大国として成長を続ける中国は、世界と地域のために重要な役割を果たしつつある。他方で、中国は国防費を継続的に増加し、核・ミサイル戦力や海・空軍を中心とした軍事力の広範かつ急速な近代化を進め……地域・国際社会の懸念事項となっている。 防衛省・自衛隊:平成23年度以降に係る防衛計画の大綱について 今年2010

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  • 北朝鮮による砲撃、または「若将軍」のバクチ - リアリズムと防衛を学ぶ

    北朝鮮による砲撃事件についてです。 この事件については「離島の民間人への砲撃」という行動から、2つの意味が汲み取れます。「去年のお返しだ」ということと「わが国を邪魔するとソウルも、こうしてやる」ということです。そういったメッセージを北朝鮮が発信するのは、金正恩の権力継承期という背景のもと、来年2011〜12年が重要な年になるので、早々に軍事的成果をあげる必要があるためではないかと考えられます。 「離島の民間人への砲撃」は何を意味するか? 今回の砲撃は民間人が居住する島をめがけて行われました。民間人そのものを標的とした攻撃は国際人道法で禁じられています。たとえ軍事施設を目標とする攻撃であっても、明らかに多数の民間人を巻き添えにすると明白な場合も同様です。しかし自国民の人権も平然と踏みにじる社会主義国が、まして北朝鮮は、もとより他国民の人権だの国際法だのはあまり気にしないのでした。 ここからは

    北朝鮮による砲撃、または「若将軍」のバクチ - リアリズムと防衛を学ぶ
  • 流出犯の自白と、2つの事件の混同 - リアリズムと防衛を学ぶ

    尖閣沖の衝突事件の捜査資料であるビデオがYoutubeに流出した事件で、ビデオを流出させた容疑者が自白し、警視庁に引き渡されました。他方で、容疑者が所属している神戸海上保安部には激励の声が数多く届いています。しかし「漁船衝突事件」と「ビデオ流出事件」は関連してはいても別々の事件なのであって、切り分けて考えるべきものです。その上で、「ビデオ流出事件」について法に則った手続きを踏むとともに、「漁船衝突事件」においてその手続きを曲げたことについて、地検と政府はあらためて説明せねばならないでしょう。 自白した海上保安官 容疑者は神戸海上保安部に所属する海上保安官です。ビデオのアップロードが神戸の漫画喫茶から行われたと発覚したのがキッカケになり、自白がなされました。(時事通信11/10) 10日午前9時10分ごろ、乗組員の間で「神戸の漫画喫茶から映像投稿」とのニュースが話題になり、主任航海士の様子が

    流出犯の自白と、2つの事件の混同 - リアリズムと防衛を学ぶ
  • ビデオ流出による3つの問題 - リアリズムと防衛を学ぶ

    尖閣諸島沖で中国漁船が海保の巡視船に体当たりしてきた事件で、公開だ、非公開だと議論になっていたビデオがYoutubeに流出しました。ビデオの内容と検証画像は「週刊オブイェクト」で見られます(参照「尖閣衝突ビデオが流出 : 週刊オブイェクト」)。NHK他の報道によればこのビデオは物の可能性が高いようです。すでに海保はこれを物とみて、流出経路の調査をはじめました。(NHK 11/5) この流出事件にはネット上、報道ですでに色々な意見が出されていますが、大別すれば論点は3つに分かれるでしょう。第一にはこのビデオの公開に一貫して抵抗、反対し続けた政府の判断と能力への疑問です。第二には、恐らく個人的な暴走によってかかる流出をおこなった容疑者の処罰と統制の問題です。第三にはこのような流出が可能であった、海保、ひいては日政府の情報保全体制の問題です。 政府の問題 流出ビデオの内容は、これまで断片的

    ビデオ流出による3つの問題 - リアリズムと防衛を学ぶ