朝鮮半島を読む/拉致問題の謬着の原因は政治の貧困にあり (サンデー毎日 2008年11月16日号) 拉致問題の膠着は04年以降続いている。この4年を振り返ったとき、膠着の原因の一つは、「圧力で拉致問題解決」という強硬策が採用されたことにあったといわざるを得ない。 (…) だが結果はどうだったか。膠着は長引くだけ。被害者家族の時間だけが無為に過ぎていった。つまり、強硬策を採用して国民は溜飲を下げたかもしれないが、肝心の北朝鮮には変化を促すことが出来なかったわけだ。その理由は、 (1)中国・韓国との経済関係が拡大した北朝鮮に対して、日本の圧力は政策変更を促すほどのパワーがなかった。 (2)日本の圧力に譲歩するということは、金正日総書記の尊厳を毀損することになり、唯一の指導者の絶対化を国是とする北朝鮮では、受け入れ不可能である。 からだった。 (…) 「経済制裁などで圧力を強めれば北朝鮮は折れて