旅番組でしばしば起こる「出会い」の多くが仕込まれたものであることは、いまや公然の秘密といっていいでしょう。しかし、そんな風潮に真っ向から逆らう番組、それこそが『家族に乾杯』(NHK)です。「作ったらアカン。段取ったらダメ」とカメラのはるか先を歩く鶴瓶師匠のまわりでは、なぜいつも奇跡が起こるのでしょうか。 ※以下は戸部田誠『笑福亭鶴瓶論』(新潮新書)の第26章、「『家族に乾杯』が体現する鶴瓶の思想」からの抜粋です。 「出会いの天才」の真髄 2010年、鶴瓶はマクドナルドのCMに起用された。 マクドナルドの「M」と鶴瓶の「M」字ハゲが合致するのが起用の理由ではないかと言って、鶴瓶はその会見で笑わせた。 そのCMのコピーは「出会いの天才」。 まさに鶴瓶をよくあらわした言葉だ。 ちなみに、このCM撮影でも「出会いの天才」っぷりを発揮する。偶然、CMに美容師役として出演していたのが、かつて鶴瓶のアフ
農業IoT(モノのインターネット)がもてはやされている。国の第5期科学技術基本計画がソサエティー5・0という「超スマート社会」の実現を掲げ、ロボット、人工知能(AI)など、先端産業から農業に応用しやすそうな分野予算の威勢がよいからである。 東京大学農学部長だった生源寺眞一先生は、10年前の論文で日本農業を付加価値型(V型)と土地利用型(C型)に分類し、日本におけるC型農業の変革の重要性を論じた。その観点で言えば今の農業IoTはハウス野菜、畜産、大規模畑作などのV型に偏り、C型農業への参入は進んでいない。 コメや小麦などの土地利用型経営は、大規模農地を持つ外国にかなわないと思われている。しかし、外からは見えないが日本の水田の地下には透水性パイプ(暗渠〈あんきょ〉)が張り巡らされ、まるで地下工場のように灌漑〈かんがい〉と排水が自由に制御できるようになっている。 それを利用して外国ではまねのでき
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く