1985年1月25日 11曲、50分 ℗ 2016 Philip Collins Ltd. under exclusive license to Rhino Entertainment Company, A Warner Music Group Company
ニルヴァーナのようなバンドが有名になれた時代においてさえ、『The Downward Spiral』は過激なアルバムだった。トレント・レズナー自身の言葉を借りれば、ナイン・インチ・ネイルズの2作目は「自滅行為を賛美したコンセプトアルバムでありながら、世界中でマルチプラチナの大ヒットになってしまった」作品だ。 イギー・ポップ、ルー・リード、そしてデヴィッド・ボウイのベルリン3部作にインスパイアされた『The Downward Spiral』では、前作『Pretty Hate Machine』のインダストリアルポップが予想外の方向へ推し進められた。「Piggy」では感傷的なラブソングに挑み、「Closer」ではディスコとソウルを掛け合わせ、「Hurt」では驚くほど繊細で見てはいけないものを見てしまったような気分にさせるバラードを作り上げるなど、実験的な曲作りが行われた。「March of th
1988年のデビュー以来、沸々と湧いてくるような苛立ちや怒りを文学的な言葉に込め、シンプルでストレートなサウンドと骨太なヴォーカルで吐き出すように表現してきたエレファントカシマシ。独特なキャラクターや熱いライブパフォーマンスも相まって、耳の肥えたロックファンの間で根強い人気を獲得していた彼らが、それまでの活動に一区切りを付け、新たなスタートとして1996年にリリースした通算8枚目のアルバム。レコード会社も移籍し、このアルバムからプロデュースに佐久間正英を迎えた。先行シングルとなった"悲しみの果て"や"四月の風"に代表される彼ららしい骨太なサウンドは保持しながら、よりストレートに伝わりやすくなった歌詞の世界は、リスナーの心を素手で鷲掴みにするような宮本浩次のパワフルな声と言葉の魅力を、それまで以上に引き出すことに成功。持ち前の魅力を損なうことなく、より幅広くアピールする力を得て、彼らを新たな
2006年リリースのミューズの4作目のアルバム。フー・ファイターズなどの作品で知られるRich Costeyをプロデューサーに迎え、ヘヴィなギターサウンドのさらなる強化に務める一方で、ダンスビートを取り入れた先行シングルの"Supermassive Black Hole"や、スペイシーなサウンドスケープとプログレ展開を融合させた"Knights of Cydonia"など、エレクトロサウンドを大胆に導入した新機軸の一作となった。また、当時のイラク戦争をテーマに取り入れるなど、初めて政治的、時事的観点からメッセージ性の高い歌詞を生み出している。本作でのワールドツアーはバンド史上最大規模となり、スタジアムバンドとしてのポジションが確立された。
2003年11月18日 16曲、1時間6分 ℗ 1991, 1995, 1999, 2002, 2003 Warner Records Inc.; 1989 EMI Records
フー・ファイターズのキャリア史上最大ボリュームの大作にして、問題作がこの2005年リリースの5作目「In Your Honor」だ。フィジカルリリースでは2枚組のコンセプチュアルなアルバムとなっている本作は、一枚目が従来のフー・ファイターズの延長線上にあるロックサイド。ライブを盛り上げる代表曲の一つ "Best of You" はここに収録されている。そしてキャリアを通して最大の異色作ともいえるのが、続いてのアコースティックサイドだ。ノラ・ジョーンズがゲスト参加した "Virginia Moon" を筆頭に、デイヴ・グロールのシンガーソングライターとしての側面にフォーカスした楽曲が連なり、これまでにないほどリラックスした仕上がり。この両極端のベクトルは、その後2017年作「Concrete and Gold」へとつながっていく。
スラッシュというサブジャンルを定義したメタリカ。セカンドとなる本作では、攻撃的でパワフルなサウンドはもちろん、"Fight Fire with Fire"のイントロではクラシックギターを使用したり、"Fade to Black"ではスラッシュメタルというフォーマットでバラードに挑戦するなど音楽的な広がりを見せている。アルバム最後を飾るインストゥルメンタルも秀逸で、曲タイトルに"The Call of Ktulu"と掲げられているように、伝説のホラー作家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトからインスピレーションを得たもの。後にオーケストラバージョンで再演され、好評を博したシネマティックなナンバーだ。メッセージ性を含めて従来のヘヴィメタルから逸脱した、スラッシュに求められるカタルシスを感じさせつつ、ジャンルの可能性をも切り拓いた傑作。 1984年7月26日 8曲、47分 ℗ 2016 Blac
2002年のリリース時こそ大きな注目を集めなかったものの、そこから2年をかけてじわじわとセールスを伸ばし、ついにはグラミー賞 (GRAMMY®︎) 最優秀新人賞に輝いたマルーン5のファーストアルバム。その後のバンドのトレードマークとなる、往年のR&Bやソウルを思い起こさせるメロディラインやファンキーなグルーヴはもちろん、デビュー当初より開かれたポップ性を備えていたことが伝わってくる。たぎるような熱さが印象に残るリードシンガー、アダム・レヴィーンの歌い口、オーセンティックなバンドアンサンブルを基調にした演奏も含めて、ひときわ人気の高い名盤。ヒット曲 "Sunday Morning" など、AOR寄りのしゃれた聴き心地があるのも成功の秘密だろう。
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