もう5年ほど前になるか、あるIT企業の幹部と雑談していた時、「データ」「情報」「ナレッジ」の違いは何かという話になった。その幹部は三つの表現を厳密に使い分けており、筆者が何か言うと「それは情報の話。問題はナレッジでしょう」などといちいち指摘してきた。しまいには「記者の皆さんは、これら三つをごっちゃにして記事を書いている。もっと注意して書くべきだ」とまで言った。メディアにいつも苦言を呈する人なのである。 「データと情報の違いはなんとなく分かりますが、情報とナレッジはどう違うのですか」と聞くと、その人は待ってましたとばかりに答えた。「マニュアルですよ、マニュアル。マニュアルに載っているのは情報、でもナレッジは書かれていない」と答えた。 続けてその人は「これはドラッカーが言っているのです。ナレッジワーカーか否かの境目はマニュアルだと喝破していますよ。これを読んだ時、『そうか、マニュアルの有無だ!
![第14回:マニュアルワーカーとナレッジワーカーの違い](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bed39b5962a5d552c95b6d796db8f55e72d32943/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fimages%2Fn%2Fxtech%2F2020%2Fogp_nikkeixtech_hexagon.jpg%3F20220512)