民博石毛直道館長2003年退官講演より 「人間は火を使う動物である」、「人間は言語を使用する動物である」、「人間は道具をつくる動物である」・・・・など、文化をもった動物である人間を他の動物から区別するキャッチ・フレーズがあります。 もっとも、霊長類学研究の進歩にともない、霊長類と人間の行動が文化のあるなしで判然と区別されるものではなく、現在では霊長類にも文化の萌芽状態が存在することが承認されています。 動物と比較して、人間の食の文化を特徴づけることはなにかと考えてたどり着いたのが、「人間は料理をする動物である」、「人間は共食をする動物である」という二つのテーゼです。共食とは「共に食べる」ということであって、「共食い」と読まれたら困るのですが。 (中略) さて、「人間は共食する動物である」というテーゼについて考えてみましょう。それは、食料の分配に関わることです。 親鳥が餌をくわえてきてヒナ鳥
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